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コンセプトノート

099. 決断を試す

あなたが大きな決断をするとします。もとより「正解」は無いと分かってはいても、自分が本当にその決断に納得しているのかどうか、それもよく分かりません。

そんなときに使える簡単なエクササイズを見つけました:

1.あなたが下した決断を具体的に書き出す。
2.その決断を下した理由をできるだけたくさん書き出す
(これらがあなたの「仮定」です)
3.「仮定」の一つひとつについて、その反対を書き出す
4.下の2つの問いを自分に問いかける:
 ・もともとの仮定に対してどれくらい自信があるか?
 ・もし反対の仮定が正しいことが分かったとき、
  その決断にどれくらいの影響があるか?
“Challenge Your Assumptions”から一部修正)

このミニ・エクササイズを友人に紹介したら、こんな返事が返って来ました。

なるほどね〜。今度やってみます♪
「転職」という大きな決断を控えていたりするので(笑)。
しかしここまでやってしまうと、リスクが見え過ぎて決断できなくなったりしないかな?

たしかに、考えすぎるとリスクばかり目に付いてしまいます。
しかし「直感に従う」ことと「目をつぶってエイヤで決める」こととは似て非なるものでしょう。上記のエクササイズは、直感に対して合理的な理由を後付けで与えるための「検証」であって、これでグラつくような直感であれば、その直感の確かさを疑ってしかるべきではないでしょうか 。

■「チャレンジ」は「疑いつつ挑む」こと
いま「検証」と書きましたが、引用したコラムのタイトルは”Challenge Your Assumptions”で、ここでのChallengeは「挑戦する」でなく「疑う」「試す」という意味。改めて考えると、「挑む」と「疑いをもって試す」というのが同じ言葉というのはなかなか含蓄に富んでいると感じました。

というのは、起-動線の意志決定支援ツール「自分ナビ」作成プログラムは、この4ステップのエクササイズを深く展開したようなもので、そこでは自分なりの目標(転職・起業など)を「チャレンジ」と表現しているからです。
「チャレンジ」は「挑む」というアクションですが、同時に(それによって自分の目的に近づけるのかという)「疑いをもって試す」というマインドをも指していると解釈できますね。

また、「決断は一過性のイベントではない」ことも示唆しているように思います。
一心不乱に目標に向かって邁進しているさなかであっても、「健全な疑い」を忘れないでおこう。
「チャレンジ」という言葉には、そのような意味をも込めておきたいと思いました。

(参考)
>ミニ書評『決断の法則 ― 人はどのようにして意思決定するのか?』
>コンセプトノート「直感の鍛え方」
>コンセプトノート「直感の構造」