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コンセプトノート

098. 同じことを言い続ける

先週で2周年を迎えた起-動線にyamamasaさんがメールを下さいました。以下ちょっとだけ抜粋:

サイト2周年おめでとうございます。
マネーライフナビもそうですが、やりたいこととやれていることのギャップもありますが、会社が継続していること、同じことを変わらずいい続けられていること、これは大事なことだと思っています。

同感でした。起-動線もいつまで活動を続けられるかは分かりませんが、とにかく2年間は継続できたこと、更に「同じことを言い続けてこられた」ことは成果だと考えています。

■敵(1):飽き
「同じことを言い続ける」って難しいですよね。先日も某転職雑誌の編集者とこんな話をしました。

編:「大事なことだと分かっていても、同じことばっかりは書けないわけですよ」
私:「読者も飽きるでしょうからね」
編:「転職雑誌はずっと購読し続けるという類の雑誌ではないので、そっちはそんなに気にしていません。むしろ『出す側が飽きる』んですよ。よっぽど強く信じていることでもない限り、何年も同じことばかり書くと飽きますから…」
私:「自分が転職する?(笑)」
編:「(笑)まあ、そうですかね。実際、担当者に新陳代謝があった方が、雑誌としては同じことを長く言い続けられるんじゃないかと思いますよ」

たしかに、世の中のために重要と思ってメッセージを発信していても、個人としてそれに飽きるということはあるわけです。「飽きる」のはおそらく「十分学んだよ」というシグナルでしょうから、何かを変えてみるべきでしょうね。

ただ、本当に何かを達成して飽きたのか、表面的な部分で飽きたのか、飽きにもいろいろあります。この編集者さんも、たとえば「1万人の幸せな転職に貢献する」というような目標を掲げてみると、メッセージの出し方や貢献の仕方においてまだまだやるべきことが見つかるかもしれません。

■敵(2):忘却
(それが大事であっても)「同じことを言い続ける」のが難しいもう一つの理由として、「忘れてしまう」というのもあります。

何かよい刺激を受けて、ホットになった頭でいろいろ考えて、「自分はこういうスタンスでいこう!」と決めたことでも、その場で習慣化できることでもない限りは、意外に忘れてしまいますよね。みなさんが目標や大事な言葉を手帳に書き留めて可視化しておくのはそれを防ぐためでしょう。

つい数日前、久しぶりにログインされたiwayosiさんを見つけてメールしてみました。iwayosiさんは昨年、独立というチャレンジへの決断に向けて「自分ナビ」作成プログラムをご活用くださいました。返って来たおたよりには、こんな嬉しい言葉がありました。

そんなわけで、独立のきっかけ、原点である
起-動線を久しぶりに眺めておりました。

1年半前の自分の思いが、昨日のことのように
思い出されて、非常に新鮮な気持ちに戻りました。

「自分ナビ」は、自分の意志決定のプロセスを記録しておくものでもあります。世話人としては、1年半というのはちょっと空き過ぎといいたいところですが(笑)、そうやって思いを新たにしていただけたのは本当に嬉しいことです。

■自分の「大事なこと」は意外に変わらない
そのほかの会員さんからのおたよりなどを拝見していても、半年や一年で自分の判断基準やポリシーがそうそう変わるということはありません。敵は自分の「飽き」であり「忘却」であるようです。

■とはいえ、変化は恐れずに
とはいえ、「同じことを言い続ける」こと自体が目的化しては本末転倒です。自分にとっての「大事なこと」は、おそらくライフステージやその他の状況変化によって変わっていくでしょうから、その変化は見定める必要がありますね。「自分ナビ」もたまにはゼロからやり直してみるといいかもしれません。

起-動線にとっての「大事なこと」は、社会人が

1. 「大事なことの選び方・決め方」を考えること
2. 考えるだけでなく「考える。動く。そしてまた」という感じで人生をもがいていくこと

この2つに役立つ何かを提供することです。元来飽きっぽい世話人ですが、幸いにも十分に大きく深いテーマに巡りあい、一向に飽きる気配がありません、いまのところ 。今年もよろしくお願いします。