厚生労働省の雇用動向調査から、年齢階級別の転職者総数と、その中で「縁故」によって転職した人の割合を抜き出してみました。
個人的な感想を含め、読み取れたことをメモしておきましょう。
◆ 「35歳を過ぎると転職しづらい」とは言えない
転職者数(折れ線グラフ)は、20〜24歳からほぼ直線的に減少していきます。俗に言う「35歳転職限界説」の真偽はこのデータからは確認できませんでした。
◆ 50歳代前半までは流動性がある
転職者数は直線的に減少しているとはいえ、50〜54歳の転職者は45〜49歳のそれを上回っているなど、40〜54歳のあたりでは、やや下げ渋っているように見えます。転職市場としては、20歳代と比較すると半分程度の大きさで、わたしが思い込んでいたよりは40〜54歳の転職者が多かったです。
◆ 歳とともに「縁」が重要になっていく
やはり年齢が上がるにつれて転職者数が減っていき、それとともに縁故の割合が多くなっています(個人的には、もう少し直線的に増えていくと考えていましたが、30歳〜50歳代前半まではほぼ30%弱くらいで推移しています)。
ただ、50歳代後半以降では、縁故が非常に重要なファクターになってきます。55〜59歳で縁故の割合が大きく伸びますが、そのほとんどは前の会社からの紹介(グラフの水色部分)ではなく、社外からの縁。定年が見えてくるこの時期、積極的に縁故を活用しているのでしょうか。
60〜64歳では、縁故の割合そのものも伸びますが、前の会社からの紹介が特異的に伸びています。これは、定年を迎えて関連会社などに移るケースが多いことの反映でしょうね。
そして65歳以上で転職する場合、実に半数以上が縁故によるものです。
65歳を過ぎてなお、人に必要とされる仕事ができている。
65歳を過ぎてなお、仕事の口を頼めるつながりを持っている。
そうありたいものです。なにしろ、「2040年の70歳は、社会的には2000年当時の60歳よりも若手」(「いつまで働く?」)なのですから。
(参考)
> 「人脈の広さと深さ、どちらが大事か」