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夢が見つからない人のためのシンプルな習慣 1日3分「夢」実現ノート


ミニレビュー

■PDCAサイクルを「回す」ことの重要性

個人的に2004年のキャリア本を選ぶとしたら、ベスト1は『ハーバード流 キャリア・チェンジ術』になると思います。そこで強調されていた「試して、学ぶ」に似たアプローチを分かりやすい方法で実践できるのが、岡崎太郎さんの「モチベーションシート」。フォーマットは書籍で紹介されています。

いわゆる「手帳本」が流行っていますが、岡崎さんのやり方のポイントは「記録」。予定と記録を分離してしまいます。予定でなく記録をA4のノートにパッパッと書き込んでいきます。

そのとき重要なのは、「行動」の記録だけでなく、「アタマやココロが動いたこと」全てを書いていくことです。具体的には
・心に想ったこと
・目に留まった情報
・ひらめいたアイデア
・よかった出来事
など。

やりたいことがなくても、夢が無くても、
とにかく日々生きているわけですから、
カラダとアタマとココロの動きを記録していく。

その中にこそ、これからの自分の目標の種がある。

PDCAでなくDCAPサイクルで行こう。
回りだしちゃえば同じじゃないか。
それがこの本のメッセージです。

もちろん、ただ記録するだけではなくて、適当なタイミングで振り返りを行いますが、そのためのシートも発案されています。

■実は、やってます

実はわたしも、岡崎さんのモチベーションシートほど立派ではないですが、「とにかく記録」をここ1年半ほどやっています。最初はA6のノートで、今はA5のルーズリーフとPCの組み合わせで、行動、考えたこと・思いついたこと、そしてあまり書きませんが感情なども、割とこまめに書きとめています。

その「記録」からわたしなりに発見したことは:

1. 人間というのは一日のうちにとても多くのことを思い・考えていること。
しかもそれらの大部分を忘れてしまうということ。

2. 多くのことを考えるとはいっても、実は特定のテーマの「断片」が繰り返し出てくること。気になる言葉だったり、記事だったり、くだらないアイデアだったり、一つひとつは「断片」であっても、寄せ集めてみると実は大きなテーマにつながっていること。

「自分ナビ」作成プログラムも書きながら考える形式ですし、書いておくこと、書いてみて考えを進めていくことは当初から重視していたわけですが、2年前には「日々書く」という習慣はありませんでした。

しかし、例えばドラッカーの『経営者の条件』(あるいは類書)には、1年に2〜3週間でいいから、何にどれだけの時間を使ったか記録してみることが成果を挙げる前提だと書いてあります。そこで素直にやり始めてみると、たしかにムダがよく分かるわけです。

また『書きながら考えるとうまくいく!―プライベート・ライティングの奇跡』では、「考える」以前のモヤモヤした状態から書きつけていくやり方が紹介されていて、これもたしかにアタマの整理につながりそうだと分かりました。

そんなこんなで、ノートを予定のためでなく行動・思考・感情を記録しておくために使っていたのですが、今回岡崎さんがシンプルにまとめてくれたこの本は、上記のような個人的な発見にもよくマッチします。いつからでも始められるところもいいですね。