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仕事のための12の基礎力〜「キャリア」と「能力」の育て方〜


ミニレビュー

■いつ、どんな力を育てるか
著者はリクルートワークス研究所の所長。
知識・技術・資格「以前」に仕事に必要な「基礎力」があって、それらを培うには旬(適齢期)がある。これがこの本の要点です。

この基礎力の定義が面白くて納得度が高いです。目次から引用すると:

  1. 反応(リアクション)力
  2. 愛嬌力
  3. 楽天力
  4. 目標発見力
  5. 継続学習力
  6. 文脈理解力
  7. 専門構築力
  8. 人脈開拓力
  9. 委任力
  10. 相談(カウンセリング)力
  11. 教授力
  12. 仲介調整(コーディネート)力

特に「愛嬌力」や「楽天力」などは、暗黙のうちには誰もが「必要だよね」と感じているわけですが、こうやって「チカラ」として整理をして「若いうちに鍛えておこう!」という意識を持たせてくれることの意味は大きいと思います。

例えば「愛嬌力」は「人脈開拓力」の基礎です。いいかげん経験を積んで「さて独立しようか」と思っても、そこに愛嬌力が無ければ、いきなり人脈が開拓できるわけでもありません。

例えば「楽天力」は「専門構築力」の基礎です。ストレスをコントロールしてポジティブに物事を捉える力がなければ、これと定めた専門分野を掘り下げることは難しくなります。

■どんな仕事からでも学べる力
『はっきり言って、今働いている30代〜50代のほとんどの人は就職する前に自分のやりたい仕事が何なのかなんてわかっていなかったはずです。』
その通り。仕事選びに対する意識が高い人は20代に多いと、20代〜50代の方とたくさん話をする機会に恵まれてきた起-動線 世話人としては感じています。

12の「基礎力」は、(専門構築力を除いて)仕事の中身にはそれほど依存していません。ということは、どんな仕事の中にもこれらを鍛えるチャンスはあるということでしょう。

■ミニ・チャレンジ
最後のほうで、ほんの数ページですが、「大人のためのインターンシップ」あるいは「キャリアの”実験”」について書かれています。

キャリアの選択は結局のところ「やってみなければわからない」のが現実だとすれば、試しにやってみる方法はないか。これは『ハーバード流 キャリア・チェンジ術』(←このタイトル、どうにかなりませんかね…)でいう「試して学ぶ」アプローチであり、起-動線でいう「ミニ・チャレンジ」であります(ちなみにこの本では紹介予定派遣、トライアル雇用、テレワーク、副業が”実験”として紹介されています)

実践的に考えていくと、ミニ・チャレンジを見つけることが難しいですね。自分ナビをぐるりと周ってみて、チャレンジが定まったとしても、たとえば「独立」といったような大きなチャレンジになると、適切なミニ・チャレンジを見つけることはなかなか容易ではありません。「副業」のオプションをじっくり分解してみようかなと考えています。

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