ミニレビュー
ずばり、「気をくばる」25のコツを120ページにまとめた、小さな薄い本。
それぞれのコツについての文章は原稿用紙2枚に満たないのではないかと思います。これで1,200円+税は高いという評がAmazonにありました。
しかし見出しやキーワードがよく考えられており、執筆や編集にはそれなりの労力が掛かっていそうです。小難しいこと・余計なことを書かずにツボを読み手の頭の中に浸透させようという筆者(+編集者)の「気くばり」の賜かもしれません。
25のツボ自体も、決して目新しいものではありません。やっている人はやっているだろうな、と思わせるものばかりで、ともすると陳腐な内容と言われかねません。が、そこをうまく逆手にとった、面白いコンテンツを出版社のサイトで発見しました。
年収1,000万円以上の社会人と平均的な(定義は不明)の社会人、それぞれ100人に、ここに挙げたツボを習慣にしているかどうか尋ねたところ、なんと
・年収1,000万円以上の社会人は、83%がこれらのツボを習慣にしている
・平均的な社会人は、18%しか習慣にしていなかった
とのこと。
(http://www.sanctuarybooks.jp/kikubari/anq.html)
「こんなことあたりまえじゃん」という評者に、「では当然年収1000万円超えてますよね?」と鮮やかに切り返せます。そのために調査したのではないでしょうが、とにかく気の利いた販促だなと思いました。
ちなみに、両者の差がもっとも大きかったツボは「魅力をあげるツボ」。毎日ひとつは「楽しみ」な予定があるようにしよう、というものです。
もちろん、平凡な一日も、疲れっぱなしの一日も、精神的プレッシャーの強い一日もあります。でも、一日一日にちゃんと「楽しみ」を仕込めば、いつだって明日が待ち遠しくなる。だからいつでも元気でいられるし、まわりの人にも元気を分け与えることができる。人生はその繰り返しです。(p119)