カテゴリー
資料

英語プレゼンテーションの技術―日本人ビジネスマンのための


ミニレビュー

簡潔、ポイントを押さえた論理の構成術

良書です。量は200ページ強と多くありませんが、分かりやすく説明・主張するためのコツがきっちり網羅されています。しかも日本語と英語の両方で。言語を問わず、分かりやすく構造化されたプレゼンテーションのためのガイドブックです。

著者のHPに詳しい目次がありますので、論理的な文章術やプレゼンテーションに興味のある方は眼を通してみてください。

個人的に重要だと思っていたポイントをうまく解説していたのは、例えば
「フルセンテンス・アウトラインを使う(Use a full-sentence outline rather than a topic outline)」というところ。

引用:

 

トピック・アウトラインは考えをまとめていくのには便利だが、実際のプレゼンテーションに臨む前にはフルセンテンス・アウトラインに変えておく必要がある。(p50)

「トピック・アウトライン」というのは、単語だけの見出しで構成したアウトラインです。例えば1. 問題提起、2. 現状分析、3. 望ましい姿…といった感じ。構成だけを考えるにはこれよいのですが、これだけでは話したいことを掴めません。実際にそれぞれのパートで何を言うべきか、事前にメッセージを凝縮しておくことが望ましい。
論理的な文章術では、トピックの最初に一文の要約(トピック・センテンス)を書くのが効果的とされています。フルセンテンス・アウトラインは、これに呼応したものです。話のアウトラインをこのように押さえていれば、内容が逸れたり時間が延びたりすることをかなり回避できると思います。