ミニレビュー
●態度と予測
ある講演会(映画だったかも)で、開演前に隣の人が読んでいた本がこれでした。
インパクトのある題名が記憶に残っていたのか、後日図書館でこの本が目に飛び込んできて、思わず借りてみました。メモする必要のないくらいインパクトのあるタイトルを付けるのは、大事ですね。
タイトルの話はさておき、内容はいわゆる自己啓発書です。29歳でガンに罹患した経験が、著者に何かを気づかせます。
気づいたのはガンの宣告を受けたあとである。いったん気づいてしまえば何もかも合点がいった。以来、世界観が変わり、こうして本を書くにいたったというわけである。べつに難解な理論やだいそれた発見をしたわけではない。宇宙の神秘を解くカギを手に入れた、いますぐ幸福になれる方法を見つけた、などというつもりはない。ただ、成功するにはわけがあると気づいた。
著者が見出した法則は下記の7つ。
・目標を明らかにする
・明確なプランを立てる
・自信をもつ
・使命感をもつ
・失敗を恐れない
・まるごと引き受ける
・自分を祝う
上記をさらに圧縮したのが、下記。
どんな態度をとるか、どんな予測を立てるか。このふたつをコントロールすれば夢はぐっと近づく。これに関しては百%自分の責任だと承知しておけば、回り道をしないですむ。このふたつについてはすべて自分の頭のなかで決まるのだから、人のせいにしてはならない。せっかく自分の頭で考えるのだから、自分のプラスになるように考えよう。(p148)
7つの法則よりも、態度と予測にフォーカスするという考え方が気に入りました。
●小咄や格言などの引用が豊富
もうひとつの特長は、小咄や格言などの引用が豊富かつ効果的なところ。たとえば「自分を祝う」ことに関して。
どこかで読んだのだが、ニューヨーク市には千を超える数の像があるそうだ。エンジニア、パイロット、建築家、政治家、消防士、警官の像などが。ただし批評家の像はないらしい。これは批評家にとって格好のターゲットである。
批評家は欠点を見つけ、それを世の中に知らしめる。だが、わたしたちは自分の成功だけに集中しよう。成功を祝福しながら生きていこう。
欠点を喧伝するだけの存在と言われては批評家がかわいそうですが、「批評家の像はない」という小咄を一吹き入れることで、「自己批判は生産的でない」というメッセージが印象に残ります。