ミニレビュー
文章力……テーマもありきたりなら、タイトルもありきたりな感じです。そんな本書が2ヶ月で3万部も売れていると聞いて、手に取ってみました。
文章の本というと縦書きのイメージがありますが、本書は横書き。それが最初にハッとしたところでした。深読みしすぎかもしれませんが、著者と編集者の「実践的な本にしよう」という心意気が現れているように感じました。
「簡単だけど、誰も教えてくれない77のテクニック」という副題どおり、見開きを基本として、明快な文章を書くためのヒントが連なっています。各ヒントは、概要→添削例→ミニ解説→事例と構成されており、テンポがあります。さらに2色刷りなので、著者がどこをどう直したかが分かりやすい。
生まれて初めて知りました!というヒントがあったわけではないものの、かねてから苦労している点がたくさん挙がっていたので、「ツボが押さえられている」感がありました。
たとえば、ヒント58[「という」を削る]。
引用:
原文:人と約束した時間を守るということを大切にしている。
改善:人と約束した時間を守ることを大切にしている。
考えながら書いていくと、冗長な言葉が文章の中に大量にまぎれ込んできます。それらをザクザク削っていくためのヒントが、本書には数多く提供されています。