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「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか


ミニレビュー

引用:

 

部下への不満
1. 仕事に対して消極的
2. 自分で物事を判断できない
3. 自分の意見を主張しない
4. 指示したことに従わない
5. 上下関係をわきまえない

直属の上司への不満
1. ビジョンがあいまい
2. 人間的に尊敬できない
3. 仕事の成果を正しく評価してくれない
4. 仕事ができない
5. 重要な仕事をまかせてくれない
(「まえがき」より。「日経BPコンサルティング調べ、2005年」として引用)

「あるある(苦笑)」、ですよね?

著者は、こういったコミュニケーション不全の主な原因を、部下が「問題は自分以外のところにある」と考える「依存者」であるところに求めています。そして「依存者」を、自分を知り周囲を動かす「主体者」に育てるための方法を提案しています。

「お、良さそうな本だな」と感じたあなた。「部下に問題がある」と考えること自体が、「依存者」の発想です。部下と一緒に変わっていきましょう。

著者 内田 和俊はビジネスコーチにして研修トレーナー。コーチング理論などを活用しながらそれに寄りかからず、自分の経験を踏まえて分かりやすく話をまとめています。

例えばペーシング(相手に合わせる)というコミュニケーションスキルを紹介するページでは、以下のような価値観のズレがあるとペーシングが難しいとのこと。引用元がないので著者のオリジナルだと思うのですが、端的にまとまっています。

  • 「結果重視」と「プロセス重視」
  • 「数字重視」と「人間関係重視」
  • 「直観型」と「熟考型」

話が合わない人にありがちな価値観のズレ*ListFreak

また、豊富に出てくる事例も、どれも身近で納得度を高めてくれます。

全体に、コミュニケーション改善のTipsが3〜5ページくらいの単位で並んでいる構成です。特に後半では、『「依存者」から「主体者」にステージアップするための10の「あり方」』という形で芯を通しています。

  1. ゴールを決める
    「考える」より先に「決める」
  2. 正直
    自分に正直な目標ならストレスやプレッシャーにならない
  3. 伝える
    自分の夢や目標などを“言葉で”まわりの人間に伝える
  4. リスペクト
    人を尊重し、基本を徹底する
  5. 冒険
    背伸びした目標に挑戦し、ブレイクスルーする
  6. 参加100パーセント
    「いま、ここ」に全力集中する
  7. 責任
    変化に柔軟に対応する能力をもつ
  8. 約束を守る
    「自分との約束」を守ることで自己価値を高める
  9. リレーションシップ
    良好な人間関係とものごとのバランスを保つ
  10. 目標達成の強い意志
    「やる」と「決める」ことがエネルギーを生み出す

「依存者」から「主体者」にステージアップするための10の「あり方」*ListFreak

コンセプトノート

リスト (from *ListFreak)