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V字回復の経営

  • タイトル:V字回復の経営
  • 著者:三枝 匡(著)
  • 出版社:日本経済新聞社
  • 出版日:2001-09-17

ミニレビュー

経営の悪化した東証一部企業の再建をドラマ仕立てにした本。著者は経営再建のスペシャリストで、現在はミスミグループ社長の三枝 匡氏。
舞台である太陽産業および登場人物は、氏が実際に関わった再建案件をブレンドしたとのことで、真に迫った迫力があります。

引用:

「企業戦略最大の敵は、組織内部の政治性である」。自分の体験から得たこの教訓を痛感する状況に、人生の中で何度、遭遇したことだろう。
 ここで言う組織の政治性とは、会社の中の派閥のような話ではない。一緒に飲めばとても楽しく、性格もよい普通の社員が、危機感の欠如と変化への恐れから、新しい変革に背を向け、身の安全を図るのである。そのため企業を変えようとする努力は社内のあちこちで骨抜きになり、結果的に業績回復や体質変化が遅れてしまう。

こういうことは、規模の大小や社歴の長短に関わらず起きると思います。更に言えば組織だけでなく、個人についても同じようなことが言えそうです。つまり誰しも
「危機感の欠如と変化への恐れから、新しい変革に背を向け、身の安全を図る」
という、「内なる政治性」とでもいうべきものを持っています。

著者が紹介する「不振事業の症状50」や「改革・八つのステップ」などは自分の企業に当てはめても、自分に当てはめても、得るものがあると思います。