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54歳引退論―混沌の長寿時代を生き抜くために


ミニレビュー

日経BPの転職支援サイトに載ったお盆休みに考える「サラリーマン54歳引退論」を見て読んでみました。

『フリーエージェント社会の到来』の書評でも触れましたが、個人の寿命が延びているのに、社会保障制度や企業の雇用制度はそれほどドラスティックに変わっていません。60歳でリタイアして余生を・・・といっても、1970年当時の平均的な「余生」は男性で10年足らず、女性で15年でした。現在のそれは男性で20年に近づき、女性では25年を超えています。

体力も知力もあるのに、就業機会は60歳を超えるとガクンと減る。ならばその前に一生モノの仕事を見つけようではないか。これが著者の主張のポイントです。タイトルの「引退」はサラリーマンが定年前に退職することを意味しており、いわゆるアーリー・リタイアメントの話ではありません。

著者は43歳で退職準備をはじめ、54歳で退社されました。その著者が薦める第一歩は、『まずは自分探しを始めよう。それがサラリーマン引退準備の第一歩だ。』
そしてその次は『個人力磨き』だそうです。起-動線のありたい自分を知る→人間力・仕事力を伸ばすと一緒ですね 。人間、いくつになっても自分探しという気がします。

年を取っても自分を社会で活かし続けるために、ということでこのカテゴリ。

新書というと何となく入門書であり概説を学ぶ本というイメージがありましたが、半分以上は著者の自叙伝のようでちょっと面食らいました。