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論理的思考の技術―「考える脳」をつくる50の方法


ミニレビュー

引用:

 

「考える脳」は、「意思決定できる脳」に結びついています。

「はじめに」にあるこの言葉で、読もうと決めました。

著者はローマ大学の教授(心理学)。ややアカデミックな立場から、「考える」、特に論理的に考えることについて様々な角度から解説しています。

アカデミック+様々な角度=散漫?と思われるかもしれませんが、そしてややそういう印象も受けますが、バラバラにならずに済んでいるのは、ただ論理的思考の解説でなく、「よき意思決定のために論理的思考が必要なのだ」という目的意識があるからでしょう。

『現実の世界で試練に立ち向かうための「妥当な」知性』とは何か。著者のメッセージをまとめると、それは、我々が選択をしていくうえで陥りがちな認識のワナ、感情のワナ、社会のワナ、そういったワナの数々をできるだけ自覚することと言えそうです。

論理思考、大脳生理学(でいいのかな、脳の記憶や思考プロセスを科学する分野)、心理学、行動経済学などなどの分野の知見をつまみ食いしながらあれこれ語ってくれます。
ですので思考系(?)の本が好きな方は「どこかで読んだ話だな」と思う部分が多いかもしれませんが、そういった知識をリフレッシュしつつ、自分にとっての「よい意思決定」のあり方を考えるネタ本としては面白いのではないでしょうか。