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自分のアタマで考えよう


ミニレビュー

講師を務めている「考える」コースの参加者の方に教えてもらいました。

なるほど分かりやすかったです。まず最終章のリストを引用します。これは目次の章立てと同じ。

  • いったん「知識」を分離すること!
  • 「意思決定のプロセス」を決めること!
  • 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと!
  • あらゆる可能性を探ること!
  • 縦と横に並べて比較してみること!
  • 判断基準の取捨選択をすること!
  • レベルをごっちゃにしないこと!
  • 自分独自の「フィルター」を見つけること!
  • データはトコトン追いかけること!
  • 視覚化で思考を深化させること!
  • 知識は「思考の棚」に整理すること!

自分のアタマで考えるには(ちきりん)*ListFreak

この本のメッセージは、副題(知識にだまされない思考の技術)に尽きています。そして目次があって本文があって、最後にまた目次(上のリスト)を並べて、「これがまとめです」と言って、終わる。こういったストレートな組み立てができること自体、アタマのスッキリした方なんだなあという印象を受けました。加えて、言葉づかいのやわらかさだけではない、分かりやすさがあります。「思考の棚」なんて、印象的な表現です。

ただ、タイトルだけは、すこし内容とずれているように感じました。というのは、全体にちまたのロジカル・シンキング系の本に似た、ある種の思考の「型」を感じるからです。

「自分のアタマで考えよう」というタイトルから、もっと思考原理主義的というか、考え方そのものから自分のアタマで考えるような本のイメージを浮かべていました。たとえばデカルトの『方法序説』の原題は『理性を正しく導き、もろもろの知識の中に真理を探究するための方法序説』だそうです(Wikipedia)。いつか超訳『方法序説』が出版されるとしたら、それにこそ「自分のアタマで考えよう」はふさわしいかと。

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