- タイトル:JUDGMENT 決断力の構造―優れたリーダーの思考と行動
- 著者:ノール・M・ティシー(著)、ウォレン・ベニス(著)、宮本 喜一(翻訳)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 出版日:2009-07-17
ミニレビュー
本書の中心部では、リーダーが重大な決断を迫られる領域を人事・戦略・危機の3つに絞り、事例とともに解説していきます。なぜこの3領域なのか:
引用:
人事にかかわる決断の宣言は、リーダーに課せられた最も重要な仕事だ。なぜなら、それは会社のあらゆることに、非常に大きな影響力があるからだ。戦略の宣言が重要なのは、これによって目的と課題が明確になるからだ。そして、危機を見過ごしにできないのは、言うまでもなく、それが組織の安定を脅かすからだ。(太字は引用者による)
領域は違えど、基本的な決断のプロセスは同じで、本書では次のように定義されています。
- [準備]決断の宣言の必要性に気づいて見きわめる
- [準備]決断の宣言を規定し、わかりやすく表現する
- [準備]適切な人材を動員し、態勢を整える
- [宣言]決断の宣言をする
- [実行]行動――ことを起こす
- [実行]学んで調整する――絶え間ない修正
リーダーの決断プロセス(準備−宣言−実行) – *ListFreak
そしてこのプロセスの各ステップを支える知識を4つに分けています。すなわち「自分自身」「周囲との人間関係」「組織」「ステークホルダー」についての知識。
黒光りする表紙、ハードカバー、400ページ超のボリューム。見た目からしてマッチョな感じの本なのですが、中身もハードというか、どうも理解が進みませんでした。上で述べたように構造的に書かれていますし、最後に80ページほどの「決断力を向上させるためのハンドブック」なんてのも付いていたりしてサービス精神も旺盛な本なのですが、なぜかハンドブックのワークシートを埋めてみようという気にならないのです。ちょっと時間を置いて再訪しようかな。
とはいえ、含蓄のあるエピソードや文章がちりばめられていて、どこかで引用・紹介するための付せんがたくさんつきました。