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クリーン・ランゲージ入門―〈12の質問〉にもとづく新コーチング技法


ミニレビュー

クリーン・ランゲージ。この清潔感ただよう言葉だけで、わたしに本書を手に取らせるには十分でした。以下は訳者はしがきからの引用です。

この「クリーン」は、どんな種類の「クリーン」なのでしょう?
 これは、前提やメタファーをできるかぎり「洗い落とした」という意味での「クリーン」です。(略)
 この「クリーン」な言葉づかいの質問を受けた話し手は、聞き手の前提やメタファーに左右されることなく、自分自身の言葉で語り、自分の課題・問題について、自分にとって最適・最善な解決策を自分自身で見つけられるようになります。

聞き手の前提やメタファーによって、話し手の思考を「汚染」しない。質問しながら話を聞くときの心得として、これほど腑に落ちる説明は初めてす。

ただし、思考そのものがメタファーを操ることにほかならないため、このアプローチは大変難しいものです。たとえば前段で「腑に落ちる」と書きましたが、これはメタファーです。実際にわたしの内臓に何かが落っこちてきたわけではありません。細かいところでは、この段落の冒頭で使った「操る」も、手作業のメタファーです。厳密に考えていくと、言葉を発することができなくなってしまいそうです。

「クリーン・ランゲージ」は、その難所をクリアするために開発されたアプローチで、標準的な質問のセットが開発されています。それらの質問を使いながら、相手が用いるメタファーに注意を払い、相手がそのメタファーを使って自らの思いや考えを掘り下げられるような質問を選択していきます。

たとえば「腑に落ちない」というメタファーを使ったのであれば、どんな種類の「腑に落ちない」なのか、「腑に落ちない」とはどこに何がある感じなのか、そんなことを聞いてみるところから始めることになると思います。

コンセプトノート

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