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心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣


ミニレビュー

2010年のFIFAワールドカップ(サッカー)で日本代表チームのキャプテンを務めた選手の本。

何か専門的な心理療法を学んだとか、特殊なメンタルトレーニングをしているとか、そういう人ではないのですね。心を整えるといっても、たとえば高名な瞑想の先生に教わって、常人には到達できない精神状態になれているとかいう話では、まったくないのです。

帯に「誰もが実践できるメンタル術!」とあります。帯の言葉にはめずらしく(失礼)、これは誇大広告ではありません。長谷部選手がやっているのは、誰でもできること。でもそれだけに、できることをしないわれわれの言い訳がふさがれてしまいます。

たとえば、ここを引用する人は多いんじゃないかと思うのですが、睡眠のマネジメントが重要と述べるくだり。

『 僕は電気をつけたまま寝たことがない。本を読みながら、テレビを見ながら、ゴロンと横になって、いつのまにか寝ていたということがない。これを言うといつも驚かれるが本当だ。』

転職面接とか重要なプレゼンとか、誰にでも大事な日はあります。その前の日にはしっかり寝ようと思います。でもそういう日に限ってなかなか寝付けなかったりします。どうするか?著者はこう考えます。

『 寝るという行為は意外と難しい。目をつむっても思い通りに寝つけないことも多々ある。だからこそ、普段から「いい睡眠」を取るために夜の時間を自分自身でマネージメントできているかが鍵になる。』

普段から、いい睡眠を取るために工夫を重ねておくというのです。それが口先だけでない証拠に、音楽、お香、高濃度酸素、特製ドリンク、アロマオイル、耳栓にいたるまで、自身の工夫を紹介しています。

自分のアタマで考えて、できることを、きちんとやる。生き方が清々しい。