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人生の科学: 「無意識」があなたの一生を決める


ミニレビュー

著者は「ニューヨークタイムズのコラムニスト」(著者紹介より)。著者は「無意識」について学問的に得られている知見をまとめるにあたり、2人の人間の人生をたどるというノンフィクション風の物語を生みだしました。

前そでから引用。

引用:

 

 主人公は、ハロルドとエリカという架空の男女。生まれも育ちもまったく違う2人の誕生から、青年期、出会いと結婚、壮年期、老年期、そして最期の瞬間までをたどり、「無意識」が人間の一生にいかに大きな影響を及ぼすかを、脳科学、心理学、行動経済学、哲学などの先端諸学の成果から明らかにする。
 そこから浮かび上がる「社交する動物(social animal)」=人間にとっての理想の生き方とは?あなたの人間観を根底から覆す刺激に満ちた科学物語!

その工夫のおかげで、無意識の科学を、次のような目次立ての一貫したストーリーとして読むことができます。

引用:

 

はじめに
1章 意思決定──男女の感じ方
2章 生活観の違い──結婚とセックス
3章 乳児期の成長──親子の絆
4章 「世界地図」作り──脳と学習
5章 愛 着──親子関係と成長
6章 学 習──友人と学校
7章 創発システム──貧困と教育
8章 セルフコントロール──集中力が人生を決める
9章 文 化──成功を決めるもの
10章 知 性──IQの限界
11章 無意識の偏見──選択の仕組み
12章 自由と絆──二つの幸せ
13章 他者との調和──二人の間の境界
14章 合理主義の限界──世の中は感情で動く
15章 科学と知恵──「メティス」という境地
16章 反 乱──組織の改革
17章 すれ違い──恋愛から友愛へ
18章 道徳心──無意識の教育
19章 リーダー──選挙の心理学
20章 真の「社会」主義──階層の流動化
21章 新たな学び──過去との対話
22章 人生の意味──最期の時
謝 辞
訳者あとがき
Amazon.co.jpより)

脳と心の違いを定義した文(第3章)が印象的でした。

引用:

 

ここで一つ覚えておくべきなのは、「脳」と「心」は同じものではないということだ。脳は、一人一人の人間の頭蓋骨の中に収まった器官で、それぞれが独立した存在だ。しかし、心は、ネットワークの中にしか存在できない。ネットワークから切り離された一人一人の心などというものはあり得ないのである。心は脳と脳が相互に関わった結果、生まれるものだ。脳と心を混同してはいけない。(p83)

コンセプトノート

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