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仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在


ミニレビュー

・ 若者が仕事に就けないのは既得権を教授している中高年のせい
・ フリーターばかり注目されるが過酷なまでに働いている若者に目が向けられていない
・ 所得の格差よりも仕事内容の格差が問題である
といった主張で話題を呼んだ本です。

上記のポイントに比べるとやや話題にされることが少ないですが、起-動線的には「転職・起業への決断において知人・友人が大きな役割を果たしている」というメッセージをピックアップしたいと思います。

引用:

社会学者グラノヴェターは、その著書のなかで、転職をする際、強い紐帯(いつも会う人)よりも、弱い紐帯(まれにしか会わない人)から役に立つ就職情報を得ること、人脈の活用が転職時に発生するノイズを除去し、信頼できる良い情報を安価で収集するための最も効率的な手段になっていると主張している。
『転職―ネットワークとキャリアの研究』

弱い紐帯(Weak Ties)とは紹介機関・親族・転職前の会社の仲間でなく、職場の外の友人・知人のことです。この本は全体にデータ重視なのですが、そのような友人・知人の助言があって転職した場合はそうでない場合に比べて転職の満足度、休日、そして収入(!)の各面において好影響が出ているという統計が紹介されています。

こうなってくると、起-動線でいうところの「つながり」は「あったほうがいいもの」どころじゃなくて「なくてはならないもの」になってきますね。