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大人のための名作パズル


ミニレビュー

『クリエイティブ・チョイス』では、「まえがき」の冒頭でクイズを引用しました。blogでの書評やお寄せいただいた感想を拝見して、よくできたクイズのインパクトを実感しました。そこで自分でも作ってみたい/よいものがあれば引用したいと思って、この本を手に取りました。

6カテゴリ74問のクイズ(と、もちろん解答)と、付録として「古今東西の名作パズル本」が紹介されています。前袖部分の口上によれば、著者は「趣味が高じて大学でパズルを教えるようになった」方とか。

タイトルの通り、古典的な良問が揃えられています。古典的な良問ということはつまり、大半はわたしのようなマニアでない人間でも知っているクイズです。しかし、だからといって解けるとは限りません。短い文章で深く考えさせる、クイズの魅力を堪能しました。

この本を読んだ理由はもう一つあります。上述の、クリチョイで引用したクイズは、私の調べた限りでは「作者不詳」です。名作と呼ばれるクイズは、どのくらい作者が明らかになっているものなのか、興味を持ちました。

結論から言えば、やはり詠み人知らずなクイズは少なくありません。しかし本書では、作者が特定できない場合でも、初出をできるかぎり調べていらっしゃるご様子。『初出は、1561年にドイツのニュールンベルクで発行された算数の教科書とされています』といった記述に、誠実さがうかがえますね。