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社長という人生

  • タイトル:社長という人生
  • 著者:杉山 隆男(著)
  • 出版社:新潮社
  • 出版日:2003-06-01

ミニレビュー

「社長」へのインタビュー集。語るのはこんな方々。

・竹中恭二(富士重工業
・矢野博丈(大創産業
・池田守男(資生堂
・佐藤慶太(タカラ
・石井茂(ソニー銀行
・渡邉美樹(ワタミフードサービス

聞くのは杉山 隆男さんという作家。おひとりあたり35ページほど使って、じっくり聞いた話ばかり。

ゼロからの起業、生え抜き社長、出戻りの方など社長になった経緯も様々です。「固い意志を持って人生を開拓してきた」というよりは「巡り合わせでここにいる」というような言い方をされる方が多かったことが印象に残りました。

著者はあとがきで“Inside the Actors Studio”という米国のTV番組(大物俳優や監督へのインタビュー番組。日本でもNHK BSで再放送をしています)のことを話しています。
ここに出てくる俳優たちも今回の社長たちもインタビューの中でかならず「チャンス」「出会い」について語っているとのこと。

引用:

 

 はじめから社長でありつづける社長も、組織の中で階段をひとつひとつのぼりながら地位を極めた社長も、自分を語りながら、見いだされた自分を語り、自分を見出した他者の存在を語っていた。徒手空拳から自分ひとりの力で現在の成功を勝ち取ったかに見える社長が、自分の力ではもはや押し返しようのない危機に塞がれるたびに、風穴を開けてくれる人があらわれたことをさりげなく話すのを聞いていると、月並みな言い方だが、めぐりあわせという、偶然や運というものの、妙や不思議を強く感じないわけにはゆかなかった。運を引き寄せる力とも言うが、自力と他力が不思議な符合で噛みあうところに、運というものが生まれていくものなのか。