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「身の丈」起業のすすめ


ミニレビュー

引用:

一般的には、起業すると人生のリスクが増すと思われがちですが、このように、ずっとサラリーマンを続けようなどと考えることの方が、人生のマネジメント上、かえって危険なのです。

引用:

サラリーマンであれ、学生であれ、公務員であれ、いざとなったら起業できるだけの準備はしておかないと、先々選択肢が減って必ず苦境に陥ります。苦しくなってから気がついても遅いのです。手堅く生きているつもりが、割に合わないリスクを負う結果となっている。そんな状況に多くの日本人が陥っています。

冒頭にこんな感じのメッセージがどんと出てくるので、起業を煽っている本のように感じるかもしれません。わたしも「手堅く生きているつもりが、割に合わないリスクを負う」ことがあるとは思いますが、「起業準備をしておかないと必ず苦境に陥る」とまでは言い切れません。

しかし全体として、この本に書かれていることは、わたし自身の経験や見聞に照らして妥当なことばかりで、納得感がありました。章立ても「起業する前に」から「起業する時に」、「会社を大きくしたくなったときに」、そして「上場したくなったときに」という感じで、会社の成長ステージに沿って分かりやすくまとめられています。

例えば「起業する前に」では、サラリーマンのうちにローンを組んでおこう(個人的にはローン自体を再考すべきだと思いますが)とか、起業前からお客作りを進めておこうとか、起業してから気がついたのでは遅いポイントをおさえてくれています。

個人的に頷けたのは「一年間給料ゼロでよい人だけで始める」ということ。実際には、一年間チャレンジして失敗したとすると再就職の活動期間も必要なので、わたしが勧めている余裕資金は18〜24ヶ月分の生活費(もちろん切りつめて)です。