ミニレビュー
主観を合理的に測る
統計学が専門の東京大学大学院教授による、意思決定の解説書。面白かった。
本書の意思決定プロセスは「主観的期待効用モデル」に立脚しています。このモデルの定義を「まえがき」から少々編集のうえ引用させていただきますと:
引用:
「効用」:ものごとの望ましさの指標
「期待効用」:あるアクションをとったとき、どの程度の望ましさが期待できるか
「主観的」:望ましさの評価や将来の予想はすべて、意思決定をする人の主観的判断にもとづく
まとめると、『このモデルに従えば、どのような意思決定においても、主観的に算定した期待効用を最大にする選択肢を選びなさいということになります。(まえがきより)』
わたしが理解した言葉で言い換えるなら、「主観を合理的に測る」方法が紹介されています。
デシジョン・ツリーやデシジョン・テーブルといった比較的シンプルな意思決定ツールに続いて、「ベイズの定理」というものが紹介されています。行動経済学の本などでも見かけたことがあったのですが、この本でようやくその威力が見えてきた気がします。
(参考)
コンセプトノート「ベイズ推定」