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つっこみ力


ミニレビュー

つっこみ力 = メディアリテラシー+α

引用:

 

 そこで戯作者の私としましては、いっそのことメディアリテラシーを日本人向けに「つっこみ力」と改名したらどうかと、ご提案するのです。(p39)
 つっこみ力は、場を盛り上げようというサービス精神と、自己犠牲の精神が息づいている点で、批判や批評、メディアリテラシーとは一線を画します。(p63)

…という立場で著者がみずからの「つっこみ力」を披露する、2日間の講演(公演)仕立ての漫談集。つまるところ何についての講演かといえば、せっかく「つっこみ力」と言い換えてくださった定義を巻き戻してしまいますが、メディアリテラシー(定義は下記)についての講演。

引用:

 

テレビや新聞、雑誌、広告が伝える内容には、制作側の意図による偏りが含まれるから、鵜呑みにせず、制作側の意図をきちんと見抜いて判断しましょうね、ということ(p35)

面白さ・分かりやすさが無ければ自分の考える「正しさ」も伝わらない、というところには納得。しかし良い批評はそれ自体が面白いはず。ときに冗長に感じてしまう雑談トークを削ってでも、もっと「つっこみ力」の実例を見せてくれれば、そちらの方がより面白かったかな。