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コンセプトノート

043. 自立への近道 〜 「No!フリーター」活動に寄せて

a-manさんのサイト101comで、「No!フリーター」という名前のキャンペーンを展開するそうです。

日頃学生の方とはあまり接点がありませんので、仕方なくフリーターを選ばれる方が多いのか、それとも自由を失うような気がして会社に入ることをためらっている方が多いのか、そんなことすら分かりません。ただ、少なくとも後者の選択に対しては、違った視点もあるだろうと考えまして、誘われるままにコメントをまとめて、投稿しました。以下にそのコメントを引用しておきます。

――――――以下が投稿――――――
はじめまして。堀内 浩二と申します。

私は、起-動線(きどうせん)というサイトの世話人を務めております。これは「個人の自立が日本を楽しくする」という理念のもと、意志決定のフレームワークや、「自分ナビ」という、生き方のポリシーを作るためのeラーニングプログラムを提供している会員制のサイトです。

今回、水内さんが「No!フリーター」活動を行っているとお聞きしましたので、書きながら考えをまとめてみたいと思います。

テーマは、
「自立への近道」
としてみましょう。

読者は、こんなことを考えている方々を想定しています。
「もちろん就職もしてみたい。フリーターが最善の選択肢ではないとは思う。だけど自分がやってみたいような仕事には求人がないし、お金を貰うためだけに会社に入って自由を失うのは窮屈だと思う。」

例えば「フリーエージェント」という言葉があります。企業に属さずひとりで動き、企業と契約を結んだり、他のフリーエージェントとプロジェクトを組んだりしながら仕事をしていく人たちです。『フリーエージェント社会の到来』という本によれば、アメリカの労働人口の1/4は、そのような独立型のビジネスを営む個人であるということです。

自立する、つまり自分の意志決定を他人に委ねることなく自分で行う。これは「自由」を得ることでもあります。「こうやって働けていけたらいいなあ」と思う方も多いのではありませんか。

でも自立イコール会社に属さないこと、でしょうか。必ずしもそうではありません。実は、本来会社というのは人間が産み出した最強の「自己実現ツール」なのです。

会社のことを「法人」と呼びますよね。会社は擬似的に人間とみなされています。

会社は、個人では負えないリスクを取れる、個人では作れない継続性を持つ、特別な生き物です。

会社は、志を同じくする(企業理念に共感する、ともいいます)人たちが集まり、社会に価値を産みだして対価を得る「仕組み」を作り、それを運営しています。その仕組みはあまりにも良く出来ており、あなたが新事業に取り組んで失敗しても他の人間の稼ぎであなたの給料が賄えてしまったり、多少は働かなくてもお金がもらえてしまう制度(有給休暇)を作り出したりしました。

あなたの生きがい、あなたのやりたいことを既に事業にしているような会社が見つかれば幸せですが、そうでない場合、あるいはやりたいこと自体が見つからない場合はどうしたらいいのでしょうか。

正解はわたしにも分かりません。でももし「自由を確保するために」フリーターの道を選ばれているのであれば、それは遠回りだと思います。むしろ社会の仕組み、とりわけ会社という仕組みを体験することが、自由を得るための合理的な選択でしょう。

会社を知ることは、ほとんどゲームのルールを知ることに等しいと言えます。多くのフリーエージェントや起業家は、会社勤めを経て独立しています。ゲームのルールが分かり、自分が賭けられそうなニッチを見つけたから独立にチャレンジできたのです。

最後にもう一度。社会で自分のやりたいことをやっていくための最強のツール、それが「会社」です。もし会社で働く機会があるのなら、その経験から何を得たいのか、その会社で活かしたい自分とは何かをじっくり考えて、率直に相談してみてはいかがでしょうか。

※ 「自分ナビ」作成プログラムは提供を終了しています