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コンセプトノート

286. 楽しみを後回しにしない

 あなたの難題の本質が何であれ、いまや真の成功を手にしているかのように生きるときだ。”大好きなことだけをせよ、することすべてを大好きになれ”という忠告にしたがって、少なくとも一週間生活してみてほしい。自分が何を経験するかに注意してほしい。できるかぎり、真に成功しているかのように生活してみよう。するのが大好きなことをし、しなければならないことをも大好きになれるようにするのだ。

マイケル・レイ 『ハイエスト・ゴール―スタンフォード大学で教える創造性トレーニング』

こういう忠告は、もちろんいつ試してもいいのですが、年初が最善の機会のひとつではではないでしょうか。レイはその一週間のあいだ、以下の基準の少なくとも一つを満たす活動だけに費やす時間を増やすことを勧めています。

  • その活動は簡単で、努力がいらず、愉快である。
  • その活動はあなたにとって本質的に有意義である。
  • その活動をするのは自然なことだと感じられる。
  • その活動をしているとまたたく間に時間が過ぎる。
  • その活動は楽しみに待つものである。
  • その活動をしているといい気分になる。
  • それ以上にしていたいことはない。
  • 目的を達する手段としてではなく、その活動自体を楽しんでいる。
  • 人生の目的の達成に貢献している感覚がある。

時間を費やすべき活動を見分ける9つのチェックリスト*ListFreak

わたしは失業というきっかけに背中を押されるようにして「大好きなことだけをせよ」生活への挑戦を始めました。2年間だけ挑戦してみて様子をみようと思っていましたが、結果的には7年以上続いています。その経験から、『自分が何を経験するかに注意してほしい』という著者のアドバイスの意味するところはよく分かります。

忙しく仕事をしている時には「あれもしたい、これもしたい」状態でしたが、いきなり失業状態になってみると、何にコミットすべきか分からないのです。そして、いろいろ考えて、これならば好きでい続けられると思えたことすら、実際にやってみなければ、本当にそうかは分からない。また実際にやってみることで初めて広がるチャンスもあった。わたしは否応なしにそういう生活に突入してしまいましたが、もしレイが言うように、職を確保しながら一週間だけ試すことで何かが変わるのであれば、挑戦しない手はありません。

いますぐ退職して起業したり移住したりするわけにはいきません。しかし、小さく試す余地は常にあります。楽しみを後回しにしているほど人生は短くないはず。本当に楽しいかどうか試してみて、楽しかったらじわじわと広げる。年始の一週間、レイの勧めにしたがって生活してみてはどうでしょうか。