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コンセプトノート

293. 批判を受け止める、SAD/MAD/GLADの道

仕事がら思考を整理するフレームワークをいろいろ学びます。それと同じくらい、気持ちを整理するフレームワークも世の中にはたくさんあります。先日知人に教えてもらった『いやな気分よ、さようなら』という本は、抑うつを克服するための認知療法という方法についての一般的な解説書です。

そのなかに、批判への対処について述べてある章がありました。いわく、人は攻撃されると憂うつ(SAD)、怒り(MAD)、または喜び(GLAD)のどれかの道を即座に選ぶとのこと。

憂うつ(SAD)の道はその批判を信じ、自分が間違っていたと思います。
怒り(MAD)の道はその批判を信じず、相手が間違っていると思います。

この2つはよく分かりますし、一見するとこの2つの反応しか選択肢はないように思えます。しかし、喜び(GLAD)という第三の道があります。その批判を自分や相手の価値に結びつけず「自分の行動を改善するよい機会を得た」と考える道だそうです。

GLADの道を選べるようになるためには、ある前提をおく必要があります。それは、自分が「価値のある人間であり、完全である必要はない」という前提です。もし自分を「完全である必要があって、そうでなければ価値がない」と思い込んでしまうと、自分の価値を守るためにMADになったり、自分の価値を信じられなくなってSADになってしまうとのこと。

この本を読んでいた昨日、昨年出版した本が文庫になってネット書店に並び始めました。そこで昨年のことを思い出していました。いただいた批評の中には、もちろん批判もありました。そういった批判を目にした瞬間の反応は、やはりSADかMADのどちらかだったような気がします。批判された瞬間にGLADになるのは、わたしには難しい。

幸運なことに、来月にはまた本を上梓できそうです。GLADの道を選べるように、本の内容を参考にしてチェックリストを作っておくことにしました。

・(前提)自分には何らかの価値がある。しかし完全ではない。
・その批判にはほんの少しでも事実があるか?
・事実と思える点について、どうすればよくなれるか?