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コンセプトノート

018. 意思決定?意志決定?

起-動線の現在のキャッチコピーは「社会人のための、はじめての意志決定支援サイト」です。「意思」でなく「意志」とした理由は第一に「ココロザシ」の方が「思い」より長期的な視点に立っている語感があるためです。

第二の理由は「意志」の方が使用頻度が低いので、少しは目を引く効果があるかと・・・ちなみにGoogleで検索すると「意思決定」は約30万件、「意志決定」では約4万件ヒットしました。

実際のところはどういう違いがあるのだろうと思ってやはりGoogleで検索すると、ちゃんと調べている方がいらっしゃるものですね。東京理科大学の小橋さんという方が、『意思決定 vs 意志決定』という文章を書かれています。それによると、結論から言えばどちらが正しいというものではないようです(意志決定が誤用だったら困ったことになっていました)。ただし以前は「意志決定」が多く使われていたものの、最近(ここ30年来)は圧倒的に「意思決定」が多いとのこと。

(この段落は引用、太字は世話人)
決定したことを実行に移すのは意志の力だろうし,意志と強くつながっているように思える目的や目標なしに決定を考えるのも妙なものだから,「意志」が意思決定と深く関わっていることに間違いはないが,「意志決定」としたのではあまりに「意志」のもつ特別なニュアンスが強く出てしまうので,著者は「意思決定」を愛用している.こころの働きをともなわない決定(「前線の動きによって天候が決まる」)や単なる判断と区別するに十分でしかも決定の特定の心理学的なモデルに深くコミットしないですむのが利点である.繰り返し述べるが,「意志決定」が間違っているとか,「意思決定」に用語を統一せよとか主張しているわけではない.とりあえずは「意思決定」が容認されうる記法であることを納得いただければ幸いである.

「自分ナビ」作成プログラムでは「意志」の力を非常に重んじていますので、正しい選択だったということになりました。

小橋さんのサイトを更に読んでいくと、今度は「支援」についても小文をものされていることが分かりました。「管理」から「支援」へと企業経営の潮流が変化していく中で(1995年の文章です)支援がなぜ難しいかを整理されています。これは世話人にとっては見逃せない文章。面白い発見があったらまたお知らせします。