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コンセプトノート

115. 年賀状で測る自分の壁

2005年は年賀状を少し多めに出そうと考えていました。Web版の年賀状は、旧年の自社の活動報告や新年の抱負を長々と書いた個人的な手紙のようなものです。

アドレス帳や頂戴した名刺などを眺めながら、どなたに出そうかと考えていると、実に色々な思いが頭をよぎりました。

「昨年は一度もお会いしていないのに、『昨年はお世話になりました』ではおかしいのではないか」

「一度しか名刺交換をしていないし、多分わたしのことは覚えていないだろう」

「有名人だから、きっと無視されるだろう」

「なんとなく疎遠になってしまって、ちょっと気まずい」

改めてこう書いてみると我ながら自意識過剰な感じですが…。とにかく多めに出そうと決めていたので、自分としては勇気をふるって宛先リストを作りました。

そして新年になり、葉書やメールを頂戴してみると。
いかに自分が勝手に人に対するイメージを作っていたのか、よく分かります。

・疎遠になり、多分忘れられていると思っていた方に送ってみた賀状に、温かく丁寧な返信をいただく。
・仕事のお付き合いだけだった方から、心のこもった感謝のご挨拶をいただく。
・自分では親しいと思っていた方に送った賀状(メール)が不達で返ってくる。

返事がいただけなかったりすると、また勝手にも
「やっぱりなあ」
などと思い込んでしまいますが、その翌日に
「海外旅行に行っていました」
なんていうお便りが来る。

こちらの予断だけで臆してしまって行動できないことは多いものです。自戒のために、2004年に読んだビジネス書の私的ベスト1『ハーバード流 キャリア・チェンジ術』から、改めて引用しておきます:

 キャリア・チェンジを試みる際の最大の間違いは、目的地を決めてから一歩を踏み出そうとすることだ。この考え方がよい結果につながらないのは、(略)実際に行動し、具体的な選択肢を試すことで人は自分を知るようになるからだ。

※賀状の字数や返信の有無「だけ」であれこれ判断するのもまた危険なことです。誰だってたまたま忙しくて賀状を出す暇がない年もあれば、お義理で返信する相手もいますよね…まだ返事を書き終わっていない自分への言い訳も兼ねて(笑)。