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コンセプトノート

056. 孤独であっても不安ではない

昨晩、50人以下の企業に特化した経営コンサルタントのIさんとお話をしていました。企業経営者の話ではありましたが、個人の生き方を考える上でも大変有用な話でしたので、まとめておきます。

Iさんは数百という企業経営者に、社内外のコミュニケーションを良くするための方策を提案しています。その経験から、多くの中小企業の経営者に共通する心理として、下記の3つを挙げてくださいました。

孤独と、不安と、猜疑心。この3つだそうです。

サラリーマンじゃないですよ。自らの資産を担保にしてでも事業を経営している、「経営者」です。もちろんポジティブな心理も3つ以上あるのでしょうが、Iさんに相談する時点では困り、悩んでいらっしゃるわけですから、やはり心理的にはネガティブになっているということでしょう。

経営者は誰でも、経営判断の責任を負っているという点で孤独です。その孤独は、不安に転化しやすい。実際、その孤独→不安を突いたインチキ商売だってあるわけです。そして不安がコミュニケーション不全を招いてしまうと、猜疑心を育てる結果になる。そしてますます孤独になる。

「社長はたいへんだなあ」と思われたと思います。でも、一人ひとり自分の人生の経営者なのですから、同じスパイラルに陥る可能性を持っているわけです。

先輩に引っ張られて会社を飛び出した。
大臣が絶対儲かるといった金融商品を買った。

選択はあなたの自由ですが、結果については先輩や大臣は責任を負ってくれないでしょう。その点で一人ひとり孤独といえます。当たり前ですね。

ではどうすればいいのか?わたしにも答えは分かりませんが、人生の経営者としての孤独は覚悟した上で「孤独であっても不安ではない」状態でいるために考えたり動いたりしていきたいと思っています。

孤独であっても「人のつながり」があれば、安心が産まれ、安心が信頼を産む。その信頼を強化するために互助的な貢献のネットワークができてますます安心と、そこまで言うと美化しすぎかもしれませんが、「人のつながり」の効用というのはそういうところにあるのだと、感じています。