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コンセプトノート

257. その結果は、いかなる習慣の産物か

「人が習慣を作り、習慣が人を作る」「行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる」といった言葉があります。習慣は強い力を持ち、望ましい方向にもそうでない方向にも、自分を変えていく力を持っています。

習慣の力がそれほど強いということを前提に、自分の思考のクセを探るエクササイズを考えてみました。

繰り返し起こる結果

自分の口癖に気がつかないように、身についた習慣はなかなか意識できません。しかし習慣ということは「反復している行動」ですから、似た結果が反復して起きているはず。そこで、「繰り返し起こる結果」から習慣を考えてみようということです。良い結果でも悪い結果でもいいのですが、今回は悪い結果で考えてみます。「繰り返し起こる問題」から、その原因となっている悪習慣を探るということです。

例えば「習い事がいつも長続きしない」という問題。これを、ある習慣の結果であると見なします。どんな習慣があり得るでしょうか。
・「決意をした対象に、飽きてしまう」習慣
・「何かをやり遂げないうちに新しい対象に興味を移してしまう」習慣
・「大して興味のないことにエネルギーを注いでしまう」習慣
・「大した問題ではないのに、自分を責めてしまう」習慣

あるいは、「いつも決断力のない上司にあたってしまう」という問題。ふつう上司は選べませんが、無理矢理にでも「自分の」習慣がもたらした結果であると見なしたら、どうなるでしょうか。実際にどうであるかは置いておいて、考えられ得る習慣をたくさん挙げてみます。
・「上司に過大な期待をして、失望してしまう」習慣
・「上司に決断させようとしてしまう」習慣
・「いつも決断力のない上司にあたってしまうと思いこんでしまう」習慣

この2番目の例は興味深いですね。上司の決断力(の無さ)に着目することで、他人の決断に依存しがちな習慣に気づくかもしれないということです。上司以外の他人、親や伴侶や友人とのつきあい方を振り返ってみることで、そういった習慣の有無を考えることができそうです。

ある一つの習慣が複数の問題を起こしているのであれば、いくつかの問題について上記のような「習慣の推測」をしてみることで、ピンと来るものが出てくるはずです。