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コンセプトノート

076. 「学びの屋台村」としての起塾

■北の屋台
先ほどWBSを見ていたら、北の屋台という帯広(北海道)の屋台村を特集していました。

20台分の駐車場だったスペースを屋台村として再生、20店の屋台を誘致しました。年間15万人、2億円を超える順調な営業を2年間続けています。

出店者たちは3年をめどに「卒業」を目指すとのことでした。実際、ある屋台の店主はインタビューに答え「ここでお客さんをしっかり掴んで、将来は自分の店を持ちたい」という抱負を語っていました。

屋台村は地域振興策であるとともに、飲食業者のインキュベーション施設にもなっているわけです。

■屋台村というインキュベータ
この「屋台村」という仕組みは、
ここ数ヶ月起-動線が取り組んで来た学びの場
「起塾」の目指すところを鮮明に描いている!
と感じたので、急いでコンセプトノートにまとめておきたくなりました。

忙しい社会人が
・時間や場所の制約をなるべく受けずに、
・しかも一方通行でなく賑わい感のある場で
学べる環境を作りたいというのが起塾の出発点です。

これは学ぶ側のニーズを考えた定義ですが、同時に先生役についても起-動線はイメージを持っています。

まずは独立志向が高く、他人に教えることで自分もまた学んでいきたいという意欲のある方。例えば本日開講の起塾「図解でロジカルシンキング実習・入門編」の塾長である開米さん。既に会社を設立され同種の講義を持たれていますのでプロということになりますが、屋台になぞらえていえば、ラーメン好きが高じて独立を果たしたこだわりのラーメン屋さん。起塾という屋台村に出店を出して、お客さんとワイワイやりながら自らの腕も磨いていかれようとしています。

あるいは、教えることが本業ではないけれど、他人とシェアできる蓄積をお持ちの方。例えば起塾「『働く人のココロを捉えて』メシを食う」の塾長である市川さん。市川さんはおひとりで独自の市場とサービスを開発されてこられた方です。いまの事業はもとより、どうやって道を切り開いてこられたのか、その苦労話をシェアしていただくことに価値があると考えて「誘致」いたしました(笑)。いわば、ブランド野菜の生産者が、趣味で自家製の野菜を料理しつつお客さんに薀蓄を傾ける…ちょっと違うかな。

■みんな塾長になろう
社会人を5年もやれば、一つや二つは「これだったら講師ができる」という蓄積はあるはずです。それは普通は「スキル」とか「経験」とかいう名前で個人の中にしまいこまれていますが、変化に強いキャリアを築くためには定期的に自分の経験をパッケージして商品化を試みていきたいもの。

人様に教えるほどのものじゃないよ、と謙遜するなかれ。明日会社が倒産したら、そのパッケージこそがあなたの市場価値を定めるのです。

とはいえいきなり本を書いたり講演のスライドにまとめたり、というのはハードルが高いので、起塾のようなカジュアルな勉強会の塾長を務めるというのはどうでしょう。興味が沸いた方は相談に乗りますのでご連絡ください。

■「学びの屋台村」を作りたい
社会人が社会人に教えるスタンスは「験(ため)すのではなく訊ねる」でありたい、と書いたことがあります(これは社会人教育に限らないのですが)。

一人ひとりが教え上手・学び上手な社会人となるための屋台村があったらいいと、思いませんか。年末年始にかけて、起塾をその構想にふさわしい舞台にするために出来ることを考えてみます。コメント・応援・提案など歓迎します。