いま、『プロフェッショナル・アントレプレナー』という本を読んでいます。
チャレンジは土俵の選択も大事
この本によれば、起業の第一ステップは産業の選択を注意深く行うこと。
たとえば、新しく設立されたバイオテクノロジー企業がインク500に掲載される確率は新規開業のレストランより二六五倍も高く、ソフトウェア企業にいたってはホテルに比べて八二三倍も高い。要するに、平均的な起業家によるベンチャー企業が、急成長の非上場企業や新規上場企業に育つ確率は、産業によって大きな差があることを示している。
このサイトでも右図のような「やりたい vs できる」というようなマトリックスでチャレンジの方法を考えています。
しかし気をつけなければならないのは縦横の軸のスケール感。実はこんな↓感じなのかもしれません。
街の花屋が生き残るには
「街の花屋みたいなの、やってみたいですよね」というのは、法人向けのビジネスをずっとやってこられた方に共感してもらいやすい話のネタです。要するに個人顧客とのつながりのあるビジネスの経験をしてみたいということで、実際にも小売り(レストランやホテルなどサービス系も含む)は独立を考える方の事業ドメインとして人気があると思います。
個人客向けの商売を小規模にやるのは、維持が難しいので「プロフェッショナル・アントレプレナー」としてはお勧めしがたい道です。
(年商は客単価×1日あたりの客数×営業日数で簡単に想像がつきます。近所の小売店を頭に描いて計算してみれば予想がつきますね)
しかし、そこで諦める必要もありません。現実には、生き残っている小売り店の多くは、花屋であれば葬祭場、酒屋であればレストラン、レストランであれば団体客や仕出しといった法人あるいは大口の需要家を掴まえています。
顧客たる我々はお店の一面しか見えませんが、お店は顧客のポートフォリオを組んで生き残りを図っています。
小売り業が厳しいのは現実ですが、零細事業のレベルであればあれこれ組み合わせて何とかメシを食っている人が多いのも現実です。
一般的には難しいとさえているチャレンジでも、「人ひとり(一家族)食っていける道はあるはずだ」という発想で情報を探しに出掛ければ、いいヒントが見つかると思います。