ミニレビュー
バックグラウンドにある考え方は、以前紹介した『パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学』と同じ、行動分析学です。テーマを「続ける」に絞って、分かりやすく書かれています。
誰でも本人が望む結果を得るため、望まない結果を避けるために行動をします。そのため、行動する直前の条件を整えたり、行動するときにサポートする方法を考えたり、行動するメリット・デメリットを考えたり、行動するまでの手間の環境を変えたりすることが、行動に大きく影響するのです。(p68)
人がある行動をするとはどういうことか。これをよく理解することで、行動しない・行動が続かない理由が分かる。もっともらしい原因(意志の弱さ)に飛びつかない。この理屈はよく分かります。ビジネスの問題解決と同じですね。
「続けたい!」という強い目的意識が前提
帯には「続かないのは、あなたの意志のせいではない!」とあります。たしかに、問題分析をしっかり行い意志の弱さ以外の行動阻害要因を突き止めることで、解決できる問題はたくさんありそうです。ただし、そもそも「ある行動を継続すること」を望ましいと思い続ける、目的意識を一貫させるのは、意志の力ではないだろうか。そう考えて読み進めていきました。
実際、そういうことでした。この本では「続ける」技術を5ステップでまとめてあり、その最初のステップが「継続すべきかどうかを決定」です。
この実践ステップを始めるに当たって、ぜひともやってほしいことがあります。
「ターゲット行動を本当に続けたいのかどうか」を、自分自身に問いかけることです。
じつはこれが、物事を続けるために非常に重要な最初のステップとなるのです。
(略)
つまり、”目的が明確かどうか?”ということです。
(略)
「いや、私は本心から続けたいと願っている」
そう断言できる人は、以下のステップを実践しましょう。必ず続けることができますから。(p97-99)
つまり、そこまで強く願っている(そして願い続けられる)ことなのに行動が持続できない、その状態をどう改善するかという本です。そこを踏まえて読まないと、失望される方もあるかもしれません。