カテゴリー
資料

目標設定練習帳 新装改訂版

  • タイトル:目標設定練習帳 新装改訂版
  • 著者:リチャード・H・モリタ(著)、アーサー・R・ペル博士(著)
  • 出版社:イーハトーヴフロンティア
  • 出版日:2006-07-01

ミニレビュー

引用:

 

 つまり、自分が設定した目標そのものが成功の秘訣だったんだ。そして問題は、目標が明確かどうかじゃなくて、目標が本物かどうかってことさ。目標を明確にしたからって本物になるわけじゃない。その目標が、本当に心の底からこれだっ!という確信が持てる目標かどうか、それがいちばん重要なんだ。目標が偽りのものだったら結局成功できない。(p23)

目標達成の方法を知ることではなく、「本当の」目標を見つけること。この「目標設定」こそが成功(その定義はどうあれ)の鍵であるというのが、著者らの発見。

では、その「本当の」目標を見つけるために何をすべきか。著者は「過去を振り返るという積極的な行為」を勧めています。

過去を振り返る?

引用:

 

「今」というこの瞬間を生きている人に対して、記憶という自分の「過去」を思い出す作業を進めることは、何だか後ろ向きの行為のように感じるかも知れない。(p82)

過去の記憶の中に、未来の目標があるのでしょうか?わたしの時代にはあまり流行していませんでしたが、就職活動の一環として「棚卸し」をした(させられた)人は多いと思います。しかしなぜ「棚卸し」が必要なのか、あまり明確には語られなかったのではないでしょうか。

この本の中では、「記憶」に対する著者のこの定義にハッとしました。

引用:

 

記憶とは、今というこの瞬間を過去の思い出として、未来にとどめておこうとする本能的な脳の働きである。(p83)

この一文に、過去の記憶を未来に活かそうとする著者らの方法論の意図が説明されています。

本当に「記憶」が重要なのか。「サクセス・マガジン」という(すごい名前の)雑誌の元編集長スコット・デガーモ氏によれば、成功の理由を尋ねられた人は、決まって子どもの頃の話を始めるとのこと。『自分がどんな人間で、その自分が何でその目標を持ったのかっていう目標設定の理由を話していた』そうです(この後、冒頭の引用に続きます)。著者らはそのような経験から、ゆるがない「本当の」目標を持っている人は同時に鮮やかなエピソード記憶を持ち合わせているという発見をします。

では、具体的には何をするのか。この本の後半は、「生活史作成ノート」と、「30年目標記入カレンダーノート」になっています。「生活史作成ノート」質問は生まれたとき(出生地の住所は?)から始まって、老後に思いを馳せる(あなたは、何歳頃で死ぬと思いますか?)に至るまで、472個もの質問が時間順に並べられています。「30年目標記入カレンダーノート」のほうはシンプルな未来日付のカレンダー。過去から未来までをこの一冊で、ということですね。

ところでこの本を手にしたきっかけは、開発中の「1200ヶ月記」というサイトのレビューアの方から「似た本がある」という紹介を受けたから。「1200ヶ月記」は生まれた月から100年分の日記(ただし1ヶ月1ページ)サイトで、要するに100年日記です。たしかに狙いは似ているなと思いました。この本を手引き書にした1200ヶ月記の活用記事などを書いてみたい。

コンセプトノート