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言葉と声の磨き方

  • タイトル:言葉と声の磨き方
  • 著者:白石 謙二(著)
  • 出版社:フォレスト出版
  • 出版日:2006-10-01

ミニレビュー

声を磨く必要性

声というのは感情に訴える効果が高い。昨年Podcasting(声のブログ)に挑戦する機会をいただいたときに、それを実験で確かめました。Podcastingでは事前に書いておいた原稿を朗読します。その原稿をblogエントリとしてもアップすることで、同一内容のテキストをblogとpodcastで比べてみようという試み。

同一のメッセージでも、文章と声とでは「伝え方」も「伝わり方」も違うことを書き(話し)ながら感じました。講師や講演も仕事の一部ですので、発声には気を遣っているつもりです。しかし改まって勉強したことはありません。よい入門書を探していて、この本を見つけました。

CDが主、本は副

約160ページ、ソフトカバー、CD付き。目次はこんな感じです。

 プロローグ 日本にはコミュニケーションがなかった!
 第一章 人間関係を劇的に変えるには?
 第二章 あなたの印象を決めている声のこと
 第三章 「好印象」を作るための基本トレーニング
 第四章 印象が変わる!「五つの声」
 第五章 声のプロが教える!シチュエーション別「声の出し方」

CDの内容は、本で紹介されているトレーニングのガイド。「はじめに」で、『本を読むのが面倒なら、CDだけ聞いていただいてもかまいません』と書いてあります。たしかに、トピックが声だけに、CDがあるのはありがたい。

例えば、あるトレーニングでは『紙飛行機を飛ばす感じで、斜め上方に向かって、やわらかく出してください』と書いてあります。かなり豊かな表現なので感じは掴めますが、それでもよく分からないですよね。CDでは最初にお手本を聞かせてくれるので、「紙飛行機を飛ばす感じ」が分かります。

声は少しずつ死んでいる

引用:

 

 声はケアやトレーニングをしなければ、年々衰えていく運命にあります。
 (略)声を出す声帯は筋肉であり、粘膜で覆われていますが、年とともに衰えていくのはいたし方ありません。
 言葉としてしゃべる上で、使う身体の各機能(肺や横隔膜、腹筋などや唇、舌など)も衰えてきます。
 年をとったとき声が出にくくなったり、滑舌が悪くなったりするのはそのためです。
 これは、若くても話す機会が少ない人にも言えることです。(p36)

この部分にハッとしました。というのは先日、昨年引退した父が「第二の声変わりをした」と冗談めかして言っていたから。たしかにちょっと声に明瞭さを欠くようになりました。いい年なので仕方がないとは思いますが、話す機会が減ったことと無関係ではないでしょう。声は意識的に磨いておこうと思いました。

「良い声」の5つの定義

最後に、著者が定義する「良い声」の種類を引用します。状況に応じた声の使い分け方も紹介されています。

・力のある声(声量がある声)
・明るい声
・よく通る声(明瞭な声)
・響く声
・やわらかい声(表現豊かな声)
(カッコ内は引用者による補足)

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