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なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?


ミニレビュー

「まえがき」の最初のページで、著者が『成功、健康、幸福、繁栄を実現させるために、誰にでも使える、努力のいらない、簡単な方法を完成させた』人として紹介されているのを読んで早くも読む気が無くなってしまいました 。が、そこまで臆面も無く言うなら付き合ってやろうという気持ちで読み通しました。

最後までうさん臭いという先入観は拭い去れなかったものの、この本で紹介されている「メンタル・バンク」というコンセプト自身はなかなかツボを突いていると思いました。

例えば、自分が「家族と一緒に過ごす」ことにとても高い価値を与えているとしましょう。しかし自分の子どもと遊んだからといって誰もおカネを払ってくれるわけじゃありませんね。仕事を減らして家族との時間を増やしたとすれば、入ってくるおカネはむしろ減るわけです。

そういうメンタルな価値をおカネに換算してみようじゃないか、というのがこの本のコンセプトです。

仕事、個人的な楽しみ、自己投資など、日々の行動のそれぞれに「時間あたりの対価」を設定します。で、毎日自分で自分に報酬を支払っていくというのが基本的な仕組み。

たとえば、子どもと過ごすことに対して、1時間あたり3万円を支払うことにしましょう。すると、子どもを幼稚園に送っていって30分使ったとすると、それを「1.5万円を稼いだ」と換算するのです。

給料などの実収入はメンタル・バンクから引き出して現金化したと解釈しますので、メンタル・バンクの預金残高からマイナスします。

こういう数字の遊びのようなことにどういう意味があるのか、「メンタル・バンク」と実際の銀行の預金残高はどうリンクしていく想定なのか、詳細は本に譲ります。わたしが面白いと思ったのは、行動に対価を設定していくという作業。

やりたいことを時間単価という形で優先付けをして、実際に費やした時間を乗じて報酬と考える。我々は行動をおカネに換算することには慣れていますから、その知識とやり方を使って自分の行動を自分なりに評価するモノサシを持つということになります。

…実は先日から、Excelで簡単な業務日報をつけています。何に何時間使っているのか自分でよく分からなくなってきたため なんですが、この日報に事業とは関係ないことまでも含めれば、あとは単価を設定するだけで簡易メンタル・バンクが運営できることに気がつきました。ちょっとやってみようかな。

目標を定め、コツコツ取り組む力をつけるという観点で、このカテゴリに。