カテゴリー
資料

仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法


ミニレビュー

Getting Things Done

「時間と仕事の整理術『GTD』がカルト的人気」(Hotwired Japan)です。わたしも米国のblogのあちこちでGTDすなわち”Getting Things Done”という言葉を見かけていたので、気になって和訳を購入。(わたしも含めて)Geekな人たちに受ける理由は、「徹底したボトムアップアプローチ」と「仕様はあるが実装がない」ところにありそうです。

徹底したボトムアップアプローチ

仕事(やらねば、やるべき、やりたい、の全てを含む)の総量は、それをこなすための時間を常に上回りますから、仕事術はつまるところ仕事の取捨選択と優先順位付けの問題に帰着します。たとえば『7つの習慣』でいう「緊急vs重要のマトリックス」であり、自分の価値観から日々のToDoに落とし込んでいく「生産性のピラミッド」といった話。

GTDは、そういったトップダウンのトップダウンのやり方を認めつつ、それを可能にするためにもまずは徹底的に仕事をさばく技術が必要であるというスタンスです。

引用:

 

 実際的な観点からは、私はトップダウンよりも、ボトムアップでことを進めることを提案します。私は、これまで両方のやり方で多くの人々を指導してきましたが、永続的な価値に照らしながら現在の彼らの現実をコントロールさせたあとで、そこから意識の焦点を高めさせると、決して的が外れることはありませんでした。

砂浜に座って個人的な価値観を考えるような作業は後回しでよく、まずはとにかくサクサク仕事をやっつけるためにはどうすればよいかという具体的なところから入れるのがいいですね。

仕様はあるが実装がない

もう一つのポイントは、ツールから自由であること。仕事のやり方についてはかなり細かく書いてある一方、それをどのように実現するかについては読者に任されています。ここがカスタマイズ魂をくすぐられますね。

その他、気に入った文章を紹介します。まず、頭の中にある仕事を掃き出すためのバケツを持つことを勧めて曰く:

引用:

 

 アイデアやインプットを捕らえるための標準的なツールを備えることは、あなたの人生と仕事がより洗練されてくるにつれて、ますます重要なものになってくるでしょう。例えば、キャリアがアップするにつれて、恐らくあなたは、仕事に関する最良のアイデアは、仕事中には生まれてこないことに気づくでしょう。頭に浮かんだ考えを、いつも手元に置いてある優れた収集器具を使って集め、活用することが、生産性を高める鍵なのです。
(太字は引用者)

「次の行動は?」という問いかけが先延ばしを防ぐために非常に有効であることを説くあたりでは、先延ばしの心理をこのように説明しています。

引用:

 

誰が最も多く、物事を先延ばしにすると思いますか?もちろん、それは最もクリエイティブで、感受性が強く、知的な人でしょう!なぜならば、彼らの感受性ゆえに、彼らの頭の中に、そのプロジェクトを行うことで生まれるかもしれない恐ろしい悪夢のシナリオを、またそれがもし完結しなければ、起こるかもしれない全てのネガティブな結果を想像してしまうからです!

わたしも実はフリーウェアで「マイGTD」を作っています。うまく機能するようだったらご紹介しましょう。