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社長として断固なすべき6つの仕事


ミニレビュー

中小企業の社長向けに書かれた経営アドバイス集。著者は自ら経営再建の実績を持ち、経営指導の経験も豊富。

利益の維持、収益源の開拓、社内文化、報酬、利益の管理、そして展望。
要約していえば、これが社長が気にすべき6つの分野であり、足りないところを補っていけば必ず業績は伸びるというのが基本的なメッセージです。この6つの順序にも、企業再建の経験が生かされていると感じます。

経営のフレームワークのようなお勉強っぽいところがなく、実務的に書かれているところも、おそらく経営者には受けがよいのではないでしょうか。例えば収益源の開拓についてはアンゾフのマトリックスというフレームワークが知られていますが、著者は事実上同じことを

引用:

 中小企業は新しい収益源を求めてどのような分野に進んだらよいだろうか。
 いろいろな意見があるだろうが、私には次の三つが考えられる。
1. 現在の市場にむけ、新たな収益商品を開発する
2. 現在の主力商品を、新しい市場に売り込む
3. 新しい商品を開発して、新しい市場に売り込む
(p97)

と書いた上で、自らの経験に照らしてアドバイスしています。

職務定義や営業報告書といった書式のサンプルを含め、事例が豊富で具体的です。とりわけ気に入ったのが、「長期事業構想書」という書類。これは社長が自ら5年程度のスパンで、事業(商品)別に方針と収益見通しのイメージを書いておくというものです。

引用:

 「この構想書は客観情勢の変化と社長のビジョンの発展によって、たえず前向きに修正されなければならない」とある。ここが非常に優れたところである。社長の未来ビジョンは常に発展していくものであり、二年たち三年たてば変わるのが当たり前だ。また会社を取り巻く環境も常に変動しているから、年度の計画と実績をチェックしながら、一度つくった構想書にさらに修正を加えていくのである。(p397)

まさに社長の自分ナビ、ですね。

(参考)
社長として断固なすべき6つの仕事 – *ListFreak

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