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アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】


ミニレビュー

2011年3月、アメリカのイエール大学の生協に立ち寄ったことがありました。そのとき平積みだったのがこの本。表紙も同じような感じでした。GTDの本だろうと思ってスルーしたのですが、好川哲人さんの【ビジネス書の杜】で「2011年売れ筋ベスト10」の1位になったことを知り、遅ればせながら読みました。

思い出しました。2008年に出した『リストのチカラ』で、この著者の記事を引用していました。「無くしたものを探し出す12のステップ」(*ListFreak)というリストの解説文に、こんなことを書いています。

引用:

 

 非常時こそチェックリストの出番。緊急時の行動をルーチン化しておくことの価値について、New Yorker 誌に興味深い記事が載っていました(*)。
 記事は、救急集中治療の専門家Peter Pronovost 氏がICU(集中治療室)における感染症の発生率を劇的に低下させた、ある方法に着目しています。その方法とは、感染を防ぐために守るべき手順のチェックリストを作成し、医師に徹底させること(だけ)でした。リストの手順は、自分の手を洗い、次に患部を消毒し……といった、とても単純なものです。にもかかわらず、リスト導入前は、全体の3分の1のケースで1つ以上の手順が抜けていたとのこと。シンプルな手順を徹底して遵守させた結果、ミシガン州のICU では3ヶ月で感染症発生率が66%も低下するなど、めざましい効果を上げたそうです。

(*) Atul Gawande, “The Checklist“, The New Yorker, December 10, 2007

著者は現役の医師ということで、自らの事例にも圧倒的な迫力があります。チェックリスト普及にかけているエネルギーもすごい。彼は外科医と同じように瞬間の判断、あるいはプレッシャーのかかる状況での判断を迫られる仕事を取材し、彼らがどのようにチェックリストを活用しているかを探りました。そしてそのエッセンスを手術の世界に取り入れ、成果を挙げています。どんなプロにどんな話を聞いたのか、「訳者より」の魅力的な紹介文でご確認ください。

引用:

 

「巨大な高層ビルを安全に建てる方法」「操縦が複雑な爆撃機を安全に飛ばす方法」「一年半ででアメリカのミシガン州の医療費を二七五億ドルも節約する方法」「不況の真っ只中でも次々と投資を成功させる方法」「毎晩一五〇人の客に美味しい料理を確実に提供する方法」「凍死しかけた患者を蘇生する方法」などの秘訣を、彼らはガワンデ医師に惜しげもなく教えてくれます。

(参考)
プロフェッショナリズムの4要素 – *ListFreak

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