ミニレビュー
●論理的に分析し、物語的に発信せよ
Narrative Method、Storytelling Methodなどという名前で、説明テクニックとしての「物語」が注目されています。広報コンサルタントの著者が、物語をどう構造化するか、実践の場でどう活用するか、事例を交えながら解説します。
例えば新聞や雑誌の読み物記事(feature)は、教科書的には下記のように構成されているそうです(p98より意訳しつつ引用):
- ティーザー(Teaser):冒頭で読者の好奇心を誘う
- ナットグラフ(Nutgraph):記事のテーマや重要性を端的に伝える
- ボディ(Body):出来事を時系列で並べつつ、テーマについて語る
- キッカー(Kicker):読者の記憶に留める「オチ」。冒頭に「蹴り返す」のが理想
これを時間と関連づけると下記のようになります。
- ティーザー 【現在】
- ナットグラフ 【時制なし。敢えていえば現在】
- ボディ 【過去 → 現在 (→将来展望)】
- キッカー 【現在】
現在 → 過去 → 現在 と進行する場合は「V字型」、将来まで語ってから現在に戻ってくる場合は「逆N字型」に構成せよ、とのこと。
たしかに読み物記事はそんな感じになっていますね。ここは面白そうなので、この本で紹介されていた、ウォールストリート・ジャーナル紙の記者がマニュアルにしているという”The Art and Craft of Feature Writing“を買ってしまいました。プレゼンテーションや講演の構成を考えるときの材料にしたいと思います。