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分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学

  • タイトル:分析力を武器とする企業
  • 著者:トーマス・H・ダベンポート(著)、ジェーン・G・ハリス(著)、村井 章子(翻訳)
  • 出版社:日経BP
  • 出版日:2008-07-24

ミニレビュー

ハラーズ・エンターテインメントのCEOゲイリー・ラブマンが序文を寄せ、こう言っています(同社はラスベガスでカジノとホテルを経営する企業で、分析力に長けた企業として知られています)。

引用:

 

ちまちまとデータを分析する経営者なぞより大胆なビジョンを掲げる経営者の方が魅力的だと考えるのは、ダイエットも運動もせずに痩せようとするようなものである。そもそもビジョンと分析は相矛盾するものではない。(略)分析力を事業経営に生かそうとするなら、たとえデータが少ない分野でも、あるいは複雑で厄介な業種でも、前へ進まなければならない。安易で苦労の少ない道へ逃げ込んではいけない。(p9)

財務はもちろん製造・品質管理から人事に至る社内業務にデータ分析はどう活かせるか。またSCMやCRMといった社外とのつながりを管理する上で、データ分析はどう活かせるか。そういった「分析力」の定義と先進事例の紹介が本書の第一部です。第二部では組織の分析力を高めるために、組織・人材・技術はどうあるべきかを論じています。

それほど具体的ではありませんが、事例や分析手法のインデックスが多く、「分析力を武器とする企業」のイメージが沸きやすい本だと思いました。大規模なデータを扱う大企業の事例が多いので、ちょっと距離感を感じる人も多いと思いますが、ソフトやツールに頼るばかりが分析ではありません。「分析マインド」を鍛えるつもりで読んでみてもよいのではないでしょうか。

(参考)
質の高いデータの6条件 – *ListFreak

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