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論理力トレーニング―ディベート技法の活用による論理的思考法が身につく本


ミニレビュー

■哲学の攻防
ディベート入門+実務への活用マニュアル。特定の立場に立って主張する際に、どのような「型」があるのかをコンパクトに学べます。

「哲学の攻防」という言葉が印象的でした。

引用:

 合理的な思考法で大切なのは論理に一貫性があるということで、主要な議論の土台となるとともに議論全体を貫くのが哲学(フィロソフィー)と呼ばれるものです。これは基本(根本)理念とも呼ばれ、自分たちの議論の依って立つ価値観にあたります。(p70)

新事業を始めるか始めないか、転職するかしないか、不動産を買うか買わないかといった選択は、特定のデータが揃えば自動的に結論が決まるというものではありません。置かれた状況は同じでも、人によって結論が違うことは当然あります。その違いは、各人の持つ哲学の違いから来ているといっていいでしょう。

ディベートの考え方は個人の意思決定においても役に立ちます。たとえば判断に迷うときに「内なるディベート」をする、つまりする・しない双方の立場に立って強く主張してみることで、何に迷っているかが明らかになることがあります。

見開き2ページ単位で論理的思考の基礎や立論のパターンなどが網羅されており、つまみ食い的に読めます。例えば上で引いた「哲学の攻防」というトピックでは、単に哲学を比較して優位を訴えるだけでなく、相手の哲学を取り込む(我々の哲学では双方の理想が実現する)など、合計4種類のパターンが紹介されています。