ミニレビュー
継続といってもいろいろある
当サイトでもおなじみ、大橋さんの新著のテーマは「継続力」。意外なことに、「継続力」というタイトルの本って無いんですね(Amazon.co.jpで調べた限りでは)。前著『チームハックス』ではリーダーシップではなくメンバーシップに着目されていましたが、今回も着眼がよいですね。読みたくなるテーマです。
この本では「継続」を3つのタイプに分けています。すなわち「続ける系」、「ためる系」、そして「マスター系」。たしかに、「続ける」といっても一色ではありませんね。我が身を振り返ってみると、「ためる系」(ブログなど)は好きだし得意ですが、それに比べると「続ける系」(早起きなど)は弱い気がします。
そして理論編として継続のコツを「7つのルール」にまとめた後、タイプ別の攻略法が紹介されていきます。
- 時間の確保を最優先させる ― 時間という「壁」を意識する
- 自分をあてにしない ― 信頼のおける仕組みを「壁」にする
- 現在を最も高く評価する ― 塗りつぶしたグラフを「壁」にする
- やりたいと思ったら記録しておく ― 動かぬ記録を「壁」にする
- 予定外を受け入れる ― 下書きを「壁」にする
- 同志を巻き込む ― 同志を「壁」にする
- 自画自賛でやる気をアップさせる ― 「壁」打ちで自分をほめる
継続力を高める7つのルール – *ListFreak
「継続力」を語る資格
一度大橋さんのオフィスで、自作のタスク管理ツールを見せてもらったことがあります。Excelを駆使して作られており、その性能にも圧倒されました(大橋さんはVB使いでもあります)が、そのようにして「仕事と時間」をきっちり管理し続けている様子に感銘を受けました。Lifehackという言葉が流行する前のことです。(このツールの詳細については、大橋さんのサイト「シゴタノ!」の「タスク管理ツールを作ってみる」をお読みください)
わたしも大橋さん同様ひとりカンパニーで、自己管理の重要性は認識しています。我ながらそこそこはできていると思っていました。しかし大橋さんはその時すでに、「作業時間を計測することで、提案時の見積りや誘われた仕事の経済的な評価ができるようになった」とまで言っておられました。
そんな大橋さんが持ち前の継続力を発揮して深めてきた、「続ける」に関する考察の数々。アカデミックな裏付けを取ることが難しく、ややもすると個人の体験談に流れがちなテーマですが、そこは豊富な事例の収集によってカバーされています。便利ツールが多数紹介されているのも、前著同様に、読むだけで終わらない楽しみを与えてくれます。
その便利ツールの一つとして、当サイトの「ココロミ」も紹介されています。なんと世話人のミニインタビュー付き!