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どうしても片づけられないあなたへ 不要なモノを捨てて豊かに暮らすための簡単な方法


ミニレビュー

まったく自慢になりませんが、「片づけ本」は結構読んでいます。この手の本は読むだけでどんどん部屋が片づいていくような気がして、ある種のエンターテインメントととしても楽しめます。読み終えて目を上げるまでの短い時間ではありますが。

この本は、同種の本の中ではかなりオーソドックスなアプローチです。例えば:

引用:

 

 ガラクタを片づけて整理整頓をしようとするときに最も犯しやすい間違いは、最初に「モノ」に手をつけることです。(p49)

モノではないとしたら、何から手をつけるべきか?

引用:

 

 整理整頓をして、それを維持していくためのカギは、モノの向こう側にある、あなたが望む生活を想像してみることにあります。(p49)

……書いてあることは正論なんだけどなかなか実行できない。正論であるがゆえに、実行できない自分を攻めるしかなくて、落ち込んでしまう。世の中にはそんな本もありますが、この本は著者がいろいろと具体的な問い掛けや事例を用意してくれているおかげで、「望む生活を想像してみる」という作業が割と具体的にできました。例えば「理想的な生活空間を知るための質問」というリスト。

  • この家は、私が望む家か?
  • この家は、私にとって安心できる家庭と感じられるか?
  • この家に帰ってくるとき、自分はどう感じているか?
  • この家に帰ってくるとき、自分はどう感じたいと思っているか?
  • 家族はこの家に帰ってくるときに、どう感じているか?
  • 家族はこの家に帰ってくるときに、どう感じたいと思っているか?
  • この部屋に入るとき、自分はどう感じているか?
  • 家族や自分はこの部屋に入るとき、どう感じたいと思っているか?
  • この部屋の今の機能は何だろう?
  • 私がこの部屋に望んでいる機能は何だろう?
  • その機能を果たすために、この部屋にはどんな家具、物、空間があるべきだろう?

家を片づける前に – 理想的な生活空間を知るための質問*ListFreak

個人的には、「この部屋の今の機能は何だろう?」「私がこの部屋に望んでいる機能は何だろう?」という質問が効きました。本には、もっと詳しく、部屋ごとの役割を考えて記入するシートがあります。部屋ごとの役割を考えるほど広い家ではありませんし、改めて役割など考えるまでもない気がしましたが、部屋でなくスペース単位で考えることによって、どこに何があるべきかというイメージを持つことができました。

例えば、我が家には居間に夫婦共用のスペースがあって、そこにお互いの書類や本が置いてありました。これまでなんとなく雑然とモノを置いていたのですが、そのスペースの「機能」や「使うべき人」、「置いてあるべきモノ」を改めて考え直してみると、そこは妻のスペースであるべきだということに気が付きました。その理由をここでくどくどと書くことはしませんが、これはかなりの「発見」でした。妻は自分のモノをまとめて置く場所を持っていなかったため、様々な場所に散在させて置かざるを得なかったのです。わたしが自分のモノをまとめ直した結果、その共用スペースだけでなく、これまで居間に散在していたモノが再配置されるという波及効果がありました。

子どもの作品をどうするか、クローゼットをどうするかといった、スペースごとにアドバイスがあるのも助かります。また整理整頓コンサルタントである著者が遭遇した事例も豊富に紹介されています。想像を絶するような貯め込み屋さんが多いのですが、心情的には分かるようなケースが多く、ウチも放っておくとそうなるかもしれないという危機感を持たせてくれます。

(参考)
モノを片づけない10の言い訳 – *ListFreak
It’s All Too Much: An Easy Plan for Living a Richer Life with Less Stuff“(原書)

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