カテゴリー
資料

LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑」の法則


ミニレビュー

仕事術(ライフハック)と時間術。どちらのジャンルも、既にたくさんの本が出ています。何を書いても二番煎じになってしまいそうな、書き手の力量が問われるテーマです。しかしさすがは大橋さん、この狭き門を見事に突破して、読みやすく実用的な一冊を生み出しました。

成功の鍵は、以下のようなユニークな問いを立てたこと。

『時間を、ただ消費しておしまいの「果実」ではなく、果実を生み出す「畑」と見なすことはできないだろうか?』

自分の「時間畑」を見出し、耕し、種をまき、肥料をやり、そして実りを得る。

この見立てに沿って、大橋さんの見聞・考察・実践の成果をまとめたのが本書。その断片はブログ「シゴタノ!」にありますので、「シゴタノ!」読者であれば、編集の妙を楽しむこともできますね。

Question Driven(質問駆動)

本書がシンプルでユニークな「問い」に支えられていると書きましたが、この本自体に「問い」があふれています。「問い」の形でまとめておくことによって、読者の思考や行動を促そうという意図が明確です。

例えば、目次項目はすべて質問文になっています。

引用:

この本の使い方

本書ではすべての項目は質問文になっています。最終的にすべての質問文にイエスと答えられることを目指します。その際、目次がチェックリスト代わりになるはずです。(「はじめに」より)

読書からの学びも、質問形式でまとめることを勧めています。

引用:

せっかく作った読書メモも作りっばなしではもったいないですから、確実に仕事に活かしたいものです。では、どうすれば良いでしょうか?

 それは、質問化することです。

(略)本から学んだ内容を自分なりの解釈を加えながら質問文に変換していくことで、行動のためのチェックリストができるのです。(p195-199)

「今」を生きる

大橋さんから、この本と一緒に短いメモをいただきました。その中に、こんな一節がありました。

引用:

根幹にあるのは、LIFE(人生)よりもまずLIVE(今)を大切にしたい、という想いです。

自分にとって意味のある仕事に焦点を当てる。その一つ一つの仕事を、ゆるがせにせず、かつ効率よくこなしていく。そういった「今」への集中の積み重ねが、大きな収穫をもたらす「畑」を耕すことにほかならない。本書からは、そのようなメッセージを読み取りました。

考えてみれば、この本自身が大橋さんの「時間畑」からの収穫です。この本の実効性は、「シゴタノ!」その他の活動からこの本が出たことによって証明されているといっていいでしょう。

34本ノック

5章34項のひとつひとつに、ワークが付いています。長くても15分で終わる、短いワークばかりです。本の構成から言えば前から順に試してみるべきでしょうが、ざっと読んで本のメッセージを掴んだうえで、自分に必要そうなものに挑戦してみてもいいと思います。

わたしはこの本を読み終えたばかりですが、早速ひとつだけやってみました。

引用:

読んでいないメルマガやブログの購読をやめる、購読している”積ん読”雑誌の購読をやめるようにしてください。(10分)

『あなたは「pack rat」になっていないか?』という項目のワークです。

わたしはRSSリーダーに「1軍」「1.5軍」というカテゴリを作り、「1軍」には10個しかRSSフィードを登録しないようにしています。”積ん読”を防ぐための工夫ですが、これを機に一度両軍を解散して(カテゴリから外して)、よく読むフィードだけを再度登録し直しました。検索することがあるので登録の解除はしませんでしたが、「1軍」「1.5軍」はかなりすっきりしました。”積ん読”だったフィードがそれなりにあったということですね。

(参考)
時間を有効に活用する「時間畑の法則」の5ステップ – *ListFreak

リスト (from *ListFreak)