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新賢明なる投資家 下~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付


ミニレビュー

下巻では、株式銘柄の具体的な分析手法に関する記述が多くなっています。

上下巻を通じて、投資家を防衛的投資家と積極的投資家という2種類に分けています。どちらかとえいば防衛的投資に興味があるので、第14章「防衛的投資家の株式選択」から選択基準をまとめると下記のようになります(数字は注解を参考に現代向けにアレンジ。ただし、もちろん米国市場での話)。

企業の適切な規模 ― 時価総額20億ドル以上
十分に健全な財務状態 ― 流動比率 > 2:1 かつ 運転資本 > 長期負債
収益の安定性 ― 過去10年間、毎年普通株の収益があること
配当暦 ― 過去20年間、無配当の年がないこと
収益の伸び ― 過去10年間において初めの3年間と最後の3年間の平均を比べて、1株当り利益が最低三分の一以上伸びていること。
妥当な株価収益率 ― 現在の株価が過去三年間の平均収益の15倍を上回らないこと
妥当な株価純資産倍率 ― 直近の報告書において、現在の株価が簿価の1.5倍以下であること。ただし収益の15倍以下であれば、それに伴って簿価比率が高くても構わない(2つの数字の積が22.5以下であればOK)。

ただし、上巻の書評の繰り返しになりますが、現在は投資信託やインデックスファンドが豊富に存在します。大企業であっても経営の不安定さは上昇しています。それを考えると、コストの安いインデックスファンドを中心にポートフォリオを固めるべしというのが、注を付けているツバイク氏の見解。