- タイトル:新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》 (ウィザードブックシリーズ)
- 著者:ベンジャミン・グレアム(著)、ジェイソン・ツバイク(著)、増沢 和美(翻訳)、新美 美葉(翻訳)、塩野 未佳(翻訳)
- 出版社:パンローリング
- 出版日:2005-03-31
ミニレビュー
著者ベンジャミン・グレアム氏(1894〜1976)は、いわゆる「バリュー投資」の祖。1949年から1971年まで改版されつつ出版されてきた、彼の『賢明なる投資家』という本に、金融専門のライターであるジェイソン・ツバイク氏が注を付けています。ツバイク氏はさらに各章の後ろに、本文と同じくらいの「注解」を付けており、グレアム氏のメッセージを解釈したり、現代の事例に置き換えたりして読者の理解を深めてくれます。積極的に金融商品を売り買いすることは無いが、資産形成には積極的な、いわゆる長期投資家にとって非常に有益な本。
アセットアロケーションとリバランスに関しては、下記のようにシンプルなポリシーが述べられています。
引用:
防衛的投資家のポートフォリオ作成方針については既に簡単に概略を示し、資金を優良債券と優良普通株に振り分けて投資するようにと述べた。
基本的なルールとして、株式の割合は、最低で二五%、最高で七五%の範囲内に、すなわち逆に債券の割合は七五%から二五%の間とすべきであると述べた。その言外の意味は、これら二つの主たる投資媒体への資金の配分は、基本的には五〇対五〇にすべきだということだ。(p169)
では肝心の(?)割安株はどのように選ぶか。注解も含めて本全体の結論から言えば、「インデックスファンドを買え」ということになると思います。
引用:
インデックスファンドを毎月買い増しながら20年以上保有していれば、大半のプロの投資家や個人投資家を同じようにアウトパフォームするのはほぼ間違いない。グレアムは晩年、ウォーレン・バフェットがそうしたように、個人投資家にとっての最高の選択肢だといってインデックスファンドを称賛している。(p433)