ミニレビュー
いわくいいがたい魅力を放つ本です。著者は元コピーライター。博報堂生活総合研究所の初代所長を務めた方だそうで、言葉のセンスがいいんでしょうね。
『 面白いことに話の筋が込み入ってしまったときは、どうしても漢字が多い文章になる。あるいは、英語など外国語、述語などがはさまってきます。あちこちのテキストで見た漢字で表現される概念語とか、英語の専門用語といったものをつぎはぎして文章を書いている。そういう状態にあるわけです。』
ギク。たしかに。たとえばこのサイトに載せる書評やコラムも、新しい概念を学びつつ書くときは、専門用語や外国語が多くなりがちです。自分の言葉でうまく言い換えられないのですね。
まあ学習の局面では許してもらうとして、実際の仕事や生活で本当に考えたいときに、言葉が上滑りしてしまってうまく考えることができない。そんなときに「ひらがなで考えてみないか?」と著者は問いかけています。