ミニレビュー
「幸運は準備をした者にのみ訪れる」という意味の諺を、幸運のクローバーを探す2人の騎士の物語に仕立てています。
ふつう物語仕立ての場合、作者が「ここから読み取って欲しいこと」と注を付けたりはしないものです。でもこの本ではエピソード毎に、たとえば
引用:
誰もが幸運を手にしたがるが、自ら追い求めるのはほんのひとにぎり。(P.28)
というような「まとめ」が入っています。ここに特色がありますね。成功事例と失敗事例もはっきりしていて、多様な解釈を許しません。
・メッセージを絞りに絞り、
・頭に入りやすいシンプルな童話仕立てにして、
・さらに「教訓」を付けてダメを押す
つまり、よく練られたプレゼンテーションのような本で、物語というよりはビジネス書のような読後感がありました。
さらに洗練された装丁、手頃な価格設定…売れるべくして売れたという感じです。もちろん読んでも面白かった。